2019年8月以降、世界の社会経済の仕組みが、50年に一度の大きな変化を遂げつつあります。

世界の潮流としてのメガトレンドを、「これまでの50年」と「これからの未来」について、「政治」「経済」「社会」「技術」に分類して概観します。

「これからの未来」には、新たな価値観が必要になることが見てとれます。


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


メガトレンド(PEST):ステークホルダー資本主義への大転換

長期のメガトレンドを、文献の参照箇所を明示しながら世界の潮流(PEST)として整理をしました。

図表内の多くのキーワードは、「参照箇所一覧」の中から「参照」しました。

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メガトレンドをPEST分析してステークホルダ資本主義への大転換を示した図
図表01_メガトレンドPEST相関図

パラダイムチェンジ(PEST):価値観の大転換

メガトレンド(PEST)を、わかりやすく「過去」と「未来」に整理しました。

過去の延長線上ではなく、誰もみたことのない前例なき未来を、創造していかなければならないことがわかります。

これまでの常識はこれからの非常識で、その逆もしかりのようです。

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PEST分析で価値観が根底から変わりステークホルダ資本主義へのパラダイムチェンジを示している図
図表02_パラダイムチェンジ_PEST

参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

あわせて読みたい

参照箇所 一覧

「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト

■参照した主な内容(一部筆者補足※)
・「短期的利益追求」は、「経済合理性」に基づく
・「経済合理性」は、「費用」を「外部」に転嫁し「利益」を最大化する※
・「費用」を「外部」に転嫁することを、「外部不経済」という※
・「外部不経済」は、「環境汚染」「低賃金」「低福祉」などを拡散する※
・「外部不経済」は、「経済的繁栄」を支える「社会」「環境」を「破壊」する
・「社会」「環境」が「破壊」され、「利益追求」が不可能に陥る
・「外部不経済」による「社会課題ブーメラン
・「経済格差」が、世界的な「不安」と「社会分断」の主因である
・「信念」に基づく「購買行動」が増加している「ビリーフ・ドリブン」
参照 : 「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト 

「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「これまでの資本主義」は、「低コスト」の追求で「利益」を最大化する考え方が主流
・「地域社会」の「犠牲」の上に「利益」を生み出した
・「正しくない」「賢明ではない」
・「新しい資本主義」は、「共通価値」を創造することである
・「企業」の「目的」は、「共通価値」の創出であると再定義すべき
参照 : 「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授 

「Justice これから正義の話をしよう」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授

■参照した主な内容
・「功利主義」は、「効用」の最大化を「正」とする 「ベンサム」
・「リバタリアン」は、「自由で制約のない市場」を支持する
・「リバタリアン」は、「政府規制」に反対する
・「フリードマン」は、「リバタリアン」である
・「フリードマン」は、著書「資本主義と自由」で「政府規制」を批判している
・「道徳」は、行動の意図である「動機」で決まる 「カント」
・「正義論」は、より「平等」な「社会」を実現することを支持する 「ロールズ」
・「正義論」は、「目的」や「愛着」を重視する
・「正義」には、「共通善」を考える必要がある 「サンデル」
・「コミュニタリアン」は、「共同体主義者」と呼ばれる
・「コミュニタリアリズム」は、「リバタリアニズム」と対峙する
参照 : 「Justice これから正義の話をしよう」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
・「大量消費」をしても「幸福」になるとは限らない
・派手で大量な「消費」は、「」「地球」にマイナス
・「第四次産業革命」により、新しい取り組みが必要
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者 

「ティール組織」 フレデリック・ラルー

■参照した主な内容
・「グローバル企業」は、「達成型組織」である
・代表的な企業「ウォルマート」「ナイキ」「コカ・コーラ」
・「成長」と「利益」が重視される
・「強欲」な「株主」の視点で経営される
・取引先や顧客、従業員に、「権力」を行使する
・「多元型組織」は、「寛容」で「他者理解」と「思いやり」がある
ゼロ成長循環型経済は、多くの人々が受け入れるようになってきた
参照 : 「ティール組織」 フレデリック・ラルー 

「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「グローバル企業」の「ナイキ」の「経営活動」
・「低コスト」で「株主利益の最大化」を「」とする「経営活動」
・「新興国」で、「奴隷並みの賃金強制的な時間外労働、職権乱用
・一九九〇年代半ば、アメリカの諸大学で「反グローバリズム」の抗議運動が激化
参照 : 「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー 

「最後の資本主義」 ロバート・B・ライシュ カリフォルニア大学バークレー校大学院教授

■参照した主な内容
・「自由市場」の5つの要素は、「所有権」「独占」「契約」「破産」「執行」
「政治」によって、「自由市場」は形づくられる
・「自由市場」のルールは、「資本家」を利し、「大多数の個人」が損をする仕組みを内包
・「自由市場」のルールは、信頼を失いつつあり、大多数の個人の怒りが鬱積している
・「信頼を失った社会」では、「ルール違反」「無気力」「自己犠牲を伴う社会システムへの抵抗」が蔓延する
・「富の偏在」は、結果として「富を有する者」にも利益をもたらさなくなる
「資本主義」のみならず「民主主義」の危機にある
「誰のための政府か」を問い直す必要がある
「ステークホルダ資本主義」「ベネフィット・コーポレーション」の必要性
・「現代奴隷法」が、英国、豪州で施行
参照 : 「最後の資本主義」 ロバート・B・ライシュ カリフォルニア大学バークレー校大学院教授 

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授

■参照した主な内容
・能力主義的なおごりを持つ者が、労働者を見下し、労働の尊厳を蝕み、屈辱の感情を抱かせ、絶望死が増加した
・学歴偏重主義者は、大学を出ていない人に対する陰湿な偏見を持ち、一般の人々を見下し、社会的な軋轢を招いてきた
・屈辱的な扱いを受けてきた労働者の怒りが、能力主義的なおごりを持つ一部のエリートや政党への反乱として表面化した
・学歴偏重主義は、人種差別、性差別に続き、容認されている最後の偏見である
・能力は、富貧などの環境に依存し、たまたまその能力を評価する社会に生まれただけで、本人の手柄ではなく、運の問題である
・学歴評価のヒエラルキーを解体し、所得と富の公平な分配を目指す方向性もある
労働活動は、共通善への貢献であることがわかるような社会をつくる
労働者が、家族とコミュニティーを支えるために安定した十分な給与を得られる政策を実現する
現代で重要 イノベーション、柔軟性、起業家精神、新たなスキルを身に着けようとする不断の意思
参照 : 「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授 

「マネジメントの現在・過去・未来」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「リーダーシップ」と「マネジメント」は、別物である
・組織の長期的な成功は、外部環境の変化に適応するしかない
・米国の労働者は、「本当に意味のある仕事」に専念するため、2022年のほぼ毎月400万人が退職している 「大退職
・企業は、真のステークホルダー資本主義モデルを構築し、集団的な価値創造の報酬の分配を行動で示す必要がある
・株主資本主義は大きく後退する可能性がある
参照 : 「マネジメントの現在・過去・未来」 ハーバードビジネスレビュー 

「ESG経営の実践」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「SDGs」は、「人類共通」の「ゴール」
・「SDGs」は「目的」、「ESG」は「手段」
・21世紀型の「企業の存在意義」は、「ステークホルダーの価値を最大化すること」
・企業は、自社の「パーパス」に沿った「ESG」への取り組みが必要
・「ESG」への取組みは、「投資判断」の重要な指標
・「ESG」への取組みが、「企業評価」を高め、「資本コスト」の引き下げにつながる
・「取締役会」は、短期的な利益を求めがちで、「ESG」の組み込みに抵抗することが多い
・「取締役会」の構成員は、「株主資本主義」の時代にキャリアを築いてきた人々が多い
・「取締役会」は、「パーパス」を再構築し、「ESG」への取り組みを推進する責務がある
・「パーパス」を再構築する「フレームワーク」は、「SCORE」として提起されている
・「持続的な社会」は、持続可能な社会を望む確かな知見を視点を備えた人々によって導かれなければならない
参照 : 「ESG経営の実践」 ハーバードビジネスレビュー 

「統治二論」 ジョン・ロック 英 政治哲学者

■参照した主な内容
・「」った「権力」の使い方 「私的で単独の利益に利用」「暴政」
・「」しい「権力」の使い方 「人々の善のために利用
参照 : 「統治二論」 ジョン・ロック 英 政治哲学者 

「イノベーション・オブ・ライフ」 クレイトン・M・クリステンセン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「正」しい人物 「思いやり」「誠実」「寛容
参照 : 「イノベーション・オブ・ライフ」 クレイトン・M・クリステンセン ハーバードビジネススクール教授 

「ビジネスの倫理学」 梅津光弘 経営倫理実践研究センター首席研究員

■参照した主な内容
・1980年代 「レーガン政権」「サッチャー政権
・「リバタリアニズム」の影響による、「規制緩和」「貿易の自由化」を推進
・「世界的」な「政策」トレンド
・「功利主義」の限界 「少数派の権利」をどう守るか 「フォード ピント事件」
参照 : 「ビジネスの倫理学」 梅津光弘 経営倫理実践研究センター首席研究員 

「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授

■参照した主な内容
・「過剰な生産と消費」は、大量のゴミとともに「環境」を「破壊」する
・「もっと多く」は、「」「社会」「環境」に「壊滅的」な打撃を及ぼす
・もっとましな行動があるはず
・マーケットは、「企業」を、「株主価値」を拡大させるための「道具」としてしか見ていない
・「もっと多く」から「もっとよく」の経済への転換
・「量」から「」への転換
参照 : 「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授 

「社会的共通資本」 宇沢弘文 経済学者

■参照した主な内容
・化石燃料の「大量消費」によって、「地球温暖化」が引き起こされている
・「産業革命」の必然的帰結である
参照 : 「社会的共通資本」 宇沢弘文 経済学者 

「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「ステークホルダー資本主義」の発想は、全世界の経営幹部に受け入れられている
・この劇的な「変化」を見逃すと、存在を危うくする「リスク」に直面する
・世界のリーダーは、「多様性」「公平性」「包摂」(DEI)を高めている
・「持続可能」な世界に向けた「パラダイムシフト」が必要
・「GDP」から「よりよい暮らし指標(BLI)」への移行などが必要
・職場の「ダイバーシティ」「インクルージョン」の推進
・企業は、大きな「環境変化」の中にある
参照 : 「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー 

「共感経営」 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授

■参照した主な内容
・2019年8月 米経済界 「脱・株主第一主義」を宣言
・米国経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」 「株主第一主義」見直し 声明
・声明文 正式名称 「パーパス(目的)・オブ・ア・コーポレーション」
・企業の「存在意義」が問われる
・「株主資本主義」偏重の「誤り」が確認された
・利害関係者への配慮 「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」「株主」
参照 : 「共感経営」 共感経営 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授 

「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授

■参照した主な内容
・2019年8月 米国の経団連 「ビジネスラウンドテーブル
・「米国企業は、これからは株主第一主義を否定すべきだ」との声明発表
・180人の企業経営者の署名付き
・日本企業の課題 「メガトレンド」に基づく「中期経営計画」の策定
・「エンロン」「ワールドコム」の「大型不正会計事件
・「SOX法」「J-SOX法 2006年」「内部統制」の規定
参照 : 「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・「底辺への競争」は、「グローバリズム」の弊害
・「規制緩和」「自由化」で「低水準化
・「労働基準」「自然環境」「社会福祉」
・新しい見識に移行できない理由は、「古いメンタルモデル」が「学習」を妨げるから
・心に染み付いた「これまでのイメージ」から離れることができない
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師 

「両利きの経営」 チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「探索」を行わないと、「変化」に対応できず「破綻」する可能性が高い
・「リーダー」によって、「探索」による「組織能力」が開発される
・「探索」を行う組織は、「スピンアウト」する必要がある
・新規部門の足を引っ張り成功を阻止しようとするため
参照 : 「両利きの経営」 チャールズ・A・オライリー/マイケル・L・タッシュマン ハーバードビジネススクール教授 

「リーン・スタートアップ」 エリック・リース

■参照した主な内容
・「過去」の「常識」を、「現代」の「常識」からみると、ただの「偏見」でしかない
・テイラーの科学的管理法の見方を例にしている
・上流階級の人は労働階級よりも優れている
・社会的地位の低い人は、上位の人が監督すべき
参照 : 「リーン・スタートアップ」 エリック・リース 

「多様性の科学」 マシュー・サイド

■参照した主な内容
・人々は、「同じ感情」や「同じ社会的要因」の影響を受けている
・ヒエラルキー型の環境下で、「権威的」なリーダーがいると「抑圧」を招く
・「抑圧」は、集団の「意見」や「アイデア」の共有を妨げる
参照 : 「多様性の科学」 マシュー・サイド 

「エクセレント・カンパニー」 トム・ピーターズ/ロバート・ウォーターマン

■参照した主な内容
・「従業員」を、大切な「資産」として扱うべき
・「資産」を大切にし、「生産性」を向上させて「収益」を上げる
参照 : 「エクセレント・カンパニー」 トム・ピーターズ/ロバート・ウォーターマン 

「人を活かすマネジメント」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「SDGs」「ESG投資
・人的資本レポーティングに関するガイドライン「ISO30414
・2020年11月 米SEC(証券取引委員会) 人的資本レポート 義務化
参照 : 「人を活かすマネジメント」 ハーバードビジネスレビュー 

「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「リーダー」の仕事
・ステークホルダーの「選別」によって業績を最大化するものではない
参照 : 「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー 

「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者

■参照した主な内容
・金が金を生むサイクル
・「貧困」層はこの循環から「排除」されてきた
参照 : 「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者 

「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞

■参照した主な内容
・「貧困」は、私たちが生み出した「制度」や「機関」によって生み出される
・「貧困」は、「人災」で、「外的」なもの
参照 : 「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞 

「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO

■参照した主な内容
・「工業化時代」の、「大量生産」「無分別な消費」では、「持続不可能
・「デザイン思考」は、「人間中心」「人間の本質」
参照 : 「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO 

「子どもと貧困」 朝日新聞取材班

■参照した主な内容
・「子どもの貧困率」 13.9% 7人に一人 2015年
・「自己責任」の前に、援助や選択肢を問うべき
参照 : 「子どもと貧困」 朝日新聞取材班 

世界人権宣言」 国際連合

■参照した主な内容
・「人権軽視」「野蛮行為」「専制圧迫
・「恐怖」と「欠乏」のない世界を「願望
参照 : 「世界人権宣言」 国際連合