【5分で読める】人的資本 の4つの視点 第6回 デザイン思考

【5分で読める】人的資本の4つの視点は、全9回で構成されています。

人的資本を重視した考え方は、多様な分野で見ることができます。

ここでは、人的資本の4つの視点「国際的『共通善』の視点」「国際標準の視点」「経営戦略の視点」「介護福祉の視点」を取り上げます。

人的資本を多面的に捉えることによって、多くの分野で中心的価値観になりつつあることを確認できます。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】人的資本の4つの視点|バックナンバー

 ●第1部 国際的「共通善」の視点

       第1回 世界人権宣言と権力

       第2回 SDGs

       第3回 ステークホルダー資本主義

       第4回 人間の尊厳

 ●第2部 国際標準の視点

       第5回 ISO30414

 ●第3部 経営戦略の視点

       第6回 デザイン思考 ✅今回

       第7回 Society5.0

 ●第4部 介護福祉の視点

       第8回 パーソンセンタードケア

 ●第5部 人的資本の重要性

       第9回 まとめ 人的資本を活かすには


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


デザイン思考

第6回は、「デザイン思考」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下の図をご覧ください。

今回は、デザイン思考についてご案内します。

↓クリックして拡大

デザイン思考の視点からみた人的資本の概観図
図表206_デザイン思考

それでは、「デザイン思考」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●デザイン思考とは、「人間中心」の問題解決アプローチのことです

 ●デザイン思考は、人への「観察」「共感」「洞察」を通じて生活に役立つ製品やサービスを生み出します

 ●デザイン思考が根付くか否かは、企業文化に依存します

 ●「T型人間」が分野を越境して共同作業を行うキーマンになるようです

 ●「利益中心」の大量生産・無分別な消費では持続不可能です

上記の「デザイン思考」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

近年、経営分野で、デザイン思考を導入しようとする企業が増えているようです。

デザイン思考を導入しようとする背景には、1970年以降50年以上にわたり正しいと考えられてきた株主資本主義に基づく「利益中心」の世界観では、人・社会・環境の持続可能性に限界があると考え始めたからだと思われます。

デザイン思考は、「人間中心」の問題解決アプローチです。

人間の基本的なニーズに重点を置き、「観察」「共感」「洞察」を通じて、人々の生活に役立つ製品やサービスを生み出します。

人々の生活に役立つ製品やサービスのアイデアを、思考錯誤の実験を繰り返しながら、プロトタイプとして形にしていきます。

試行錯誤の実験と失敗の繰り返しは、イノベーションに欠かせないプロセスの一つです。

利益を中心とした生産性・効率性を重んじる企業文化では、不確実なアイデアは実現する前に摘み取られ、リスクは排除されてしまいます。

「人間中心のデザイン思考」は、それを活かすことのできる組織能力の有無にかかっています。

組織能力を分析するVRIO分析でも、持続的競争優位(一時的)を確立するためには、「経済価値:Value」「希少性:Rarity」「模倣困難性:lnimitability」が認められ、かつ、それを活かせる「組織:Organization」が必要とされます。

デザイン思考を導入するということは、「利益中心」から「人間中心」の価値観に転換を図ることにほかなりません。

したがって、デザイン思考を導入するには、一定の「組織の変革」を伴うことになります。

「組織の変革」を伴う、「外部環境の変化」への「経営戦略の適合」については、【5分で読める】ステークホルダー資本主義|第9回 完 ステークホルダー資本主義をご参照ください。

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


次回は、「第7回 Society5.0」になります。

参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO

■参照した主な内容
・「デザイン思考」は、「人間中心」「人間の本質」の問題解決アプローチ
・「デザイン思考」は、「技術中心」「利益中心」ではない
・人間への「観察」「共感」「洞察」を通じて生活に役立つ製品やサービスを生み出すこと
・デザイン思考は、プロトタイプを試行錯誤しながら実験するマインドセットが必要
・「利益のためではなく人々のため」のデザイン
・生産性・効率性を重視する企業文化では、デザイン思考は失敗する可能性が高い
・「T型人間」の、分野を越境して共同作業する資質が必要
・「工業化時代」の、「大量生産」「無分別な消費」では、「持続不可能
・思いやりのある資本主義
・顧客を深く知れれば、「長期的」「持続的」な「収益源」になる
参照 : 「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO 

「デザイン思考の教科書」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・人間中心のデザイン
・「デザイン思考」の3段階のプロセス 「着想」「概念化」「実現化」
・創造性を阻む4つの恐れ
・「人工物自体のデザイン」と「導入方法のデザイン」
・リーダーシップの重要性 効率性や生産性を重視する文化と異なるデザイン思考
・「心理的安全性」の高い組織の必要性
・「称賛される失敗」と「非難される失敗」
参照 : 「デザイン思考の教科書」 バーバードビジネスレビュー 

「MBA 基本ビジネス思考法45」 グロービス

■参照した主な内容
・デザイン思考
・共感とユーザー観察
・イノベーションのための多様性
参照 : 「MBA ビジネス基本思考法45」 グロービス 

「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・管理テクニック 「不安と脅し」 時代遅れ
・VUCA世界では、全く役に立たない
・「心理的に安全」な職場を作るには、「変革」が必要
・深く染み付き凝り固まった規範や考え方を改める必要がある
リーダーの役割は、「学習」「イノベーション」「成長」できる環境を創ること
・「心理的安全性」は、「才能」を引き出し「価値創造」に必要である
・「これまで」の仕事のやり方は「模倣」でしかなく、「革新的」ではない
参照 : 「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・『問題を生み出したのと同じ意識では、その問題を解決することはできない』
・「意思決定者」の「メンタル・イメージ(現実のとらえ方)」次第
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師  

「ティール組織」 フレデリック・ラルー

■参照した主な内容
・「どんな問題も、それをつくり出したときの意識レベルのままでは解決できない」
参照 : 「ティール組織」 フレデリック・ラルー 

「MBA マネジメント・ブック」 グロービス経営大学院

■参照した主な内容
・経営戦略の「階層構造」
・RBV(リソースベースドビュー)
参照 : 「MBA マネジメント・ブック」 グロービス経営大学院 

「マネジメント・テキスト 経営戦略入門」 網倉久永/新宅純二朗 日本経済新聞社

■参照した主な内容
・経営戦略 3階層
VRIO分析
参照 : 「マネジメント・テキスト 経営戦略入門」 網倉久永/新宅純二朗 日本経済新聞社 

「基本フレームワーク50」  グロービス ダイヤモンド社

■参照した主な内容
・VRIO分析
参照 : 「基本フレームワーク50」 グロービス ダイヤモンド社 

「人を活かすマネジメント」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「SDGs」「ESG投資
・「人的資本」レポーティングに関するガイドライン「ISO30414
・2020年11月 米SEC(証券取引委員会) 人的資本レポート 義務化
参照 : 「人を活かすマネジメント」 ハーバードビジネスレビュー 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
・「新自由主義」は、「競争」による「経済成長」を追い求めた
・「経済成長」のために、環境が「破壊」され、「社会福祉」が軽んじられた
・「社会的弱者」の精神的苦痛が増すリスクがある
・「政府」は、「市場の失敗」を正す必要がある
・「持続可能包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
・「少ないモノ」で「より豊かに」暮らせる未来
・「格差による分断」「不均衡不正」「環境破壊」を止める
・「寛容」「公平」「公正」な世界を創造する必要がある
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者