【5分で読める】エンジニアのための KPI入門 第1回 KPIの全体像

【5分で読める】エンジニアのための KPI入門は、全9回で構成されています。

エンジニアなどの技術系の専門職から、プロジェクトマネージャーやCTO・CIO・CDOなどのビジネスサイドにステップアップするとき、多くの畑違いの新たな学びが必要となります。

特に、財務会計のスキルは、共通言語として必須になります。

経営目標の達成度合いを計測する「重要業績評価指標:KPI」について、図表を用いてわかりやすく概説します。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】エンジニアのためのKPI入門|バックナンバー

 第1回 KPIの全体像 ✅今回

 第2回 収益性指標

 第3回 安全性指標

 第4回 効率性指標

 第5回 成長性指標

 第6回 生産性指標

 第7回 限界利益率とスループット

 第8回 ROEとROA

 第9回 KPIを設定する際の注意点


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


KPIの全体像

第1回は、「KPIの全体像」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下の図をご覧ください。

今回は、KPIの全体像についてご案内します。

↓ クリックして拡大

KPIの全体像を可視化した図表
図表701_KPIの全体像

それでは、「KPIの全体像」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●「KPI」は、「重要業績指標」のことです

 ●「重要業績指標」は、経営目標の達成度合いを計測するための指標です

 ●「KPI」は、あくまでも「結果」を表す指標として用いられます

 ●「KPI」は、3つの層「経営」「業務管理」「活動」レベルに大別できます

 ●「経営に関するKPI」は、一般的に共通しています

 ●「業務管理・活動に関するKPI」は、業種業態や事業ライフサイクル、競争地位別によって様々です

 ●「業務管理・活動に関するKPI」は、試行錯誤による仮説検証的なアプローチによって求められます

上記の「KPIの全体像」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

多くの企業は、「企業目的」の実現に向けて、通過点である「経営目標」をかかげながら、日々、事業を推進しています。

「経営目標」の達成度合いを計測するための指標は、「KPI:重要業績指標 Key Performance Indicators」と呼ばれています。

ひとことに「KPI」と言っても、一般的には、「経営に関する指標」「業務管理に関する指標」「活動に関する指標」など、管理階層ごとに多くの指標が設定されています。

日々の「活動に関する指標」が、各部門の「業務管理に関する指標」に連動し、「業務管理に関する指標」が、最終的に「経営に関する指標」の達成に貢献するように設定されています。

最終的な「経営に関する指標」は、「KGI:重要目標達成指標 Key Goal Indicator」と呼ばれることもあります。

一般的に、「経営に関する指標」は、営利企業であれば「財務に関連するKPI」が設定されることになるでしょうし、非営利組織であれば「活動目的に関連するKPI」が設定されることになるでしょう。

このように、組織のあらゆる階層の人々が、「経営に関する指標」に紐づけられた「業務管理に関する指標」「活動に関する指標」の達成に向け、日々の活動を推進していきます。

日々の活動の結果、「業務管理に関する指標」「経営に関する指標」の達成に近づいていきます。

すでにお気付きかもしれませんが、「業務管理に関する指標」「活動に関する指標」は、業種業態や事業ライフサイクル、競争地位別によって様々です。

それぞれの組織が、「試行錯誤」により独自性のある「業務管理に関する指標」「活動に関する指標」を設定し、差別化を図りながら競争優位の獲得に向けた活動を推進しています。

このため、本シリーズ「エンジニアのためのKPI入門」では、多くの組織に比較的共通している「財務KPI」について取り上げます。

「財務KPI」を大別すると、「収益性指標」「安全性指標」「効率性指標」「成長性指標」「生産性指標」に整理できます。

「収益性指標」と「成長性指標」は、「損益計算書PL」から導出します。

「安全性指標」は、「貸借対照表BS」から導出します。

「効率性指標」と「生産性指標」は、「損益計算書PL」と「貸借対照表BS」の両方の数値から導出します。

なお、「生産性指標」については、「損益計算書PL」と「貸借対照表BS」以外に、組織の基本情報である「従業員数」が必要になります。

次回は、収益性指標についてご案内します。

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「KPI大全」 嶋田毅 グロービス

■参照した主な内容
・バランススコアカード
・KPI マーケティング・セールス、オペレーション・イノベーション、組織、会計・ファイナンス
参照 : 「KPI大全」 嶋田毅 グロービス 

「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院

■参照した主な内容
・財務諸表
・資金調達
・DCF法
・ROE、ROA、ROIC、EVA
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF、ゼロ成長モデル、永続成長モデル、タックスシールド
参照 : 「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院 

「KPIマネジメント」 楠本和矢 博報堂コンサルティング

■参照した主な内容
・現場に求められる戦略 「競合に勝てる理屈と手順」
・KFI(KGI)、KRI(KSF)、KAI
・トップダウンアプローチ、ボトムアップアプローチ
・筋のいいストーリーを創ること
・創造力、洞察力(インサイト)
・阻害要因
・推論的仮説 ロジカルシンキング 演繹法、帰納法
・仮説に対し、エビデンスや確証を求める企業 戦略、革新、明日もない
・KPI設定ステップ
参照 : 「KPIマネジメント」 楠本和矢 博報堂コンサルティング 

「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社

■参照した主な内容
・ROE、ROA、ROIC
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF
参照 : 「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社