【5分で読める】エンジニアのための ファイナンス入門 第6回 FCF
【5分で読める】エンジニアのための ファイナンス入門は、全9回で構成されています。
エンジニアなどの技術系の専門職から、プロジェクトマネージャーやCTO・CIO・CDOなどのビジネスサイドにステップアップするとき、多くの畑違いの新たな学びが必要となります。
特に、財務会計のスキルは、共通言語として必須になります。
経営資源の主要な要素の一つである「資金」を「調達」し「運用」する「ファイナンス」について、図表を用いてわかりやすく概説します。
社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。
●「5分で読める」ような工夫に努めております
●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています
●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています
●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます
第6回 FCF :フリーキャッシュフロー ✅今回
第7回 NPVとIRR :正味現在価値と内部収益率
第8回 継続価値 :ゼロ成長モデルと永続成長モデル
第9回 企業価値の算定
世の中には多くの考え方があります。
わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。
「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。
FCF:フリーキャッシュフロー
第6回は、「FCF:フリーキャッシュフロー」です。
最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。
下の図をご覧ください。
今回は、FCF:フリーキャッシュフローについてご案内します。
↓ クリックして拡大
それでは、「FCF:フリーキャッシュフロー」の本題にはいります。
結論は、以下のように示すことができます。
●「FCF」は、「企業目的」に資する「事業活動」で得た資金の中で「自由に使うことのできる金額」のことです
●「FCF」の計算式は、「営業利益x(1-税率)+減価償却費-設備投資 ± 運転資本増減」で求めます
●「運転資本増減」は、主に「売上債権の増減」「棚卸資産の増減」「仕入債務の増減」のキャッシュの増減を加味します
●「FCF」の「将来価値」は、「WACC」で「現在価値」に割引かれます
上記の「FCF:フリーキャッシュフロー」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。
前回までの復習になりますが、「ファイナンス」では、「将来価値」を「割引率」によって、「現在価値」に合わせて考えます。
「ファイナンス」における「将来価値」は、一般的に「FCF:フリーキャッシュフロー」によって計測されます。
「FCF:フリーキャッシュフロー」は、「企業目的」に資する「事業活動」で得た資金の中で「自由に使うことのできる金額」のことです。
具体的には、一定の仮定を置いて、「1年後のFCF」、「2年後のFCF」、「3年後のFCF」・・を求めていきます。
「FCF」の計算式は、以下の通りです。
- FCF
= 営業利益x(1-税率)+減価償却費-設備投資 ± 運転資本増減
「運転資本増減」は、主に以下の3点を加味します。
- 売上債権の増減
- 棚卸資産の増減
- 仕入債務の増減
「売上債権」と「棚卸資産」は、「貸借対照表BS」の「借方(左側)」の勘定科目になります。
増えていれば「現金化」されていない「資産」が増加しているので、キャッシュフローは「マイナス」になります。
逆に、減っていれば手元に「現金化」されているので、キャッシュフローは「プラス」になります。
「仕入債務」は、「貸借対照表BS」の「貸方(右側)」の勘定科目になります。
増えていれば「現金」で支払いが済んでおらず、キャッシュが流出していないため、キャッシュフローは「プラス」になります。「つけ」をイメージするとわかりやすい思います。
逆に、減っていれば「現金」で支払い済みで、キャッシュが流出しているため、キャッシュフローは「マイナス」になります。
こうして求めた、「将来」の各期の「FCF:フリーキャッシュフロー」を、「WACC」で「割引いて」、「現在価値」に割り戻して検討の材料にしていきます。
次回は、「フリーキャッシュフロー」を「WACC」で「割引いて」、経済性を判断していく「NPVとIRR」についてご案内します。
今回は、これで終わりになります。
お読みくださりありがとうございました。
参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。
●外部環境の大きな変化を整理したPEST分析は、ここから確認できます
●変わりゆく社会の価値観は、ここから確認できます
●ステークホルダー資本主義への転換に向けた「人・社会・経済の良循環モデル」は、ここから確認できます
●主要参考文献は、ここから確認できます
●わたしたちの活動の全体像は、ここから確認できます
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参照箇所 一覧
「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院
■参照した主な内容
・財務諸表
・資金調達
・DCF法
・ROE、ROA、ROIC、EVA
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF、ゼロ成長モデル、永続成長モデル、タックスシールド
参照 : 「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院
「バリュエーションの教科書」 森生明 グロービス経営大学院教授
■参照した主な内容
・財務諸表
・ROE、PER、PBR
・DCF法、EVA、FCF、NPV、IRR
・WACC、β値、CAPM
・継続価値、ゼロ成長モデル、永続成長モデル
・デュポン式
・EBITDA倍率
・コングロマリットディスカウント
・M&A、垂直統合、水平統合
・現代ポートフォリオ理論、ブラックショールズモデル
・オプション、コール、プット
・リアルオプション
参照 : 「バリュエーションの教科書」 森生明 グロービス経営大学院教授
「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社
■参照した主な内容
・ROE、ROA、ROIC
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF
参照 : 「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社