【5分で読める】エンジニアのための ファイナンス入門 第7回 NPVとIRR

【5分で読める】エンジニアのための ファイナンス入門は、全9回で構成されています。

エンジニアなどの技術系の専門職から、プロジェクトマネージャーやCTO・CIO・CDOなどのビジネスサイドにステップアップするとき、多くの畑違いの新たな学びが必要となります。

特に、財務会計のスキルは、共通言語として必須になります。

経営資源の主要な要素の一つである「資金」を「調達」し「運用」する「ファイナンス」について、図表を用いてわかりやすく概説します。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】エンジニアのためのファイナンス入門|バックナンバー

 第1回 企業活動とファイナンス

 第2回 現在価値と将来価値

 第3回 割引率の活用 :現価係数

 第4回 CAPM :株主資本コスト

 第5回 WACC :加重平均資本コスト

 第6回 FCF  :フリーキャッシュフロー

 第7回 NPVとIRR :正味現在価値と内部収益率 ✅今回

 第8回 継続価値 :ゼロ成長モデルと永続成長モデル

 第9回 企業価値の算定


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


NPVとIRR:正味現在価値と内部収益率

第7回は、「NPVとIRR:正味現在価値と内部収益率」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下の図をご覧ください。

今回は、NPVとIRR:正味現在価値と内部収益率についてご案内します。

↓ クリックして拡大

NPVとIRRの概念と計算式を可視化した図表
図表607_NPVとIRR

それでは、「NPVとIRR:正味現在価値と内部収益率」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●「NPV」は、「正味現在価値」と呼ばれています

 ●「NPV」は、「事業活動」が生み出すキャッシュフローの現在価値の合計から、「投資額」を差し引いた「正味の現在価値」のことです

 ●「IRR」は、「内部収益率」と呼ばれています

 ●「IRR」は、「NPV(正味現在価値)」が「ゼロ」になる「割引率」のことです

 ●「IRR(内部収益率)」が、「WACC(加重平均資本コスト)」よりも大きければ、「投資する」ほうが有利と判断できる指標の一つになります

 ●「IRR」は、あくまでも「率」なので、「NPV」の「額」と合わせて判断することが重要です

上記の「NPVとIRR:正味現在価値と内部収益率」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

前回までの復習になりますが、「ファイナンス」では、「将来価値」を「FCF」で求め、「割引率」を「WACC」で算出し、「現在価値」に合わせるために、「FCF」を「WACC」で割引きます。

「NPV」は、「正味現在価値」と呼ばれています。

その意味は、「企業目的」に資する「事業活動」が生み出すキャッシュフローの「現在価値」の合計から、「投資金額」を差し引いた、「正味の価値」を算出することです。

簡単に言うと、「投資回収額」から「投資額」を差し引いて、投資の「正味の現在価値」を判断する指標になります。

「IRR」は、「内部収益率」と呼ばれています。

その意味は、「企業目的」に資する「事業活動」の時間的価値を加味して計算した、「利回り」のことです。

「IRR(内部収益率≒利回り)」は、「NPV(正味現在価値)」が「ゼロ」になる「割引率」として求まります。

簡単に言うと、「安く借りて」「高く運用し」、その差額を「リターン」として得ることができるかを判断する指標になります。

「外部」から「資金を調達」した値「WACC」より、「企業目的に資する自社の事業」で運用した利回り「IRR」のほうが高ければ、「正味現在価値」はプラスということになり、差額を利益として得ることができます。

ただし、「IRR」は、あくまでも「率」なので、「額」である「NPV」の補助指標として考える必要があります。

「NPV」や「IRR」は、エクセル等で関数が用意されており、簡単に求めることができます。

ご興味があれば、「NPV 関数」「IRR 関数」などで検索すると、多くの参考資料が見つかります。

次回は、「フリーキャッシュフロー」を、未来の「予測できる期間」と、「予測できない期間」に分けて考える場合の、「ゼロ成長モデルと永続成長モデル」についてご案内します。

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院

■参照した主な内容
・財務諸表
・資金調達
・DCF法
・ROE、ROA、ROIC、EVA
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF、ゼロ成長モデル、永続成長モデル、タックスシールド
参照 : 「ファイナンシャル・マネジメント」 ロバート・C・ヒギンズ グロービス経営大学院 

「バリュエーションの教科書」 森生明 グロービス経営大学院教授

■参照した主な内容
・財務諸表
・ROE、PER、PBR
・DCF法、EVA、FCF、NPV、IRR
・WACC、β値、CAPM
・継続価値、ゼロ成長モデル、永続成長モデル
・デュポン式
・EBITDA倍率
・コングロマリットディスカウント
・M&A、垂直統合、水平統合
・現代ポートフォリオ理論、ブラックショールズモデル
・オプション、コール、プット
・リアルオプション
参照 : 「バリュエーションの教科書」 森生明 グロービス経営大学院教授 

「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社

■参照した主な内容
・ROE、ROA、ROIC
・CAPM、WACC、NPV、IRR、FCF
参照 : 「管理会計の基本」 千賀秀信 日本実業出版社