【5分で読める】人的資本 の4つの視点 第3回 ステークホルダー資本主義

【5分で読める】人的資本の4つの視点は、全9回で構成されています。

人的資本を重視した考え方は、多様な分野で見ることができます。

ここでは、人的資本の4つの視点「国際的『共通善』の視点」「国際標準の視点」「経営戦略の視点」「介護福祉の視点」を取り上げます。

人的資本を多面的に捉えることによって、多くの分野で中心的価値観になりつつあることを確認できます。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】人的資本の4つの視点|バックナンバー

 ●第1部 国際的「共通善」の視点

       第1回 世界人権宣言と権力

       第2回 SDGs

       第3回 ステークホルダー資本主義 ✅今回

       第4回 人間の尊厳

 ●第2部 国際標準の視点

       第5回 ISO30414

 ●第3部 経営戦略の視点

       第6回 デザイン思考

       第7回 Society5.0

 ●第4部 介護福祉の視点

       第8回 パーソンセンタードケア

 ●第5部 人的資本の重要性

       第9回 まとめ 人的資本を活かすには


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


ステークホルダー資本主義

第3回は、「ステークホルダー資本主義」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下の図をご覧ください。

今回は、ステークホルダー資本主義についてご案内します。

↓クリックして拡大

ステークホルダー資本主義の視点からみた人的資本の概観図
図表203_ステークホルダー資本主義

それでは、「ステークホルダー資本主義」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●1970年から50年続いた株主資本主義の時代が終わり、ステークホルダー資本主義の時代が始まろうとしています

 ●人的資本や環境を著しく毀損してきた企業活動の見直しが世界の潮流になっています

 ●50年に一度の社会経済体制の大転換の真っただ中にあります

 ●大転換にあたっては、過去の常識は未来への非常識になることが多くなりそうです

上記の「ステークホルダー資本主義」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

1970年から50年以上続いてきた、株主資本主義に基づく企業活動は、費用を社会に押し付けて、株主利益を最大化することが正しいと考えられてきました。

利益を中心的価値観とする企業活動は、人的資本から成る社会や環境を傷つけ、破壊し続けてきました。

企業活動が、人的資本から成る社会や環境を傷つけた結果、企業活動に必要な人財や資源の調達に困難をきたしました。

企業の利益追求活動が、社会課題ブーメランとして、自らの活動の持続可能性を毀損する羽目に陥りました。

株主利益を中心とした考え方を改め、環境を守りながら、企業の利害関係者である「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」にも貢献し、持続可能な経済活動を推進するという考え方が、ステークホルダー資本主義です。

50年以上続いてきた社会経済の仕組みが、根底から変わろうとしています。

ステークホルダー資本主義への大転換の詳細にご興味のある方は、以下のリンクで解説していますのでご参照ください。

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


次回は、「第4回 人間の尊厳」になります。

参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「企業」は、すべての「ステークホルダー」に貢献すべき、という考え方
・「顧客」「従業員」「仕入先」「地域コミュニティー」「株主」
・世界が直面する「危機
・「格差」「気候変動」「パンデミック
・「社会」や「地球環境」の「持続可能性
参照 : 「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー 

「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授

■参照した主な内容
・2019年8月 「米国企業は、これからは株主第一主義を否定すべきだ」との声明発表
・180人の企業経営者の署名付き
参照 : 「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授 

「共感経営」 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授

■参照した主な内容
・2019年8月 米経済界 「脱・株主第一主義」を宣言
・「株主資本主義」偏重の「誤り」が確認された
・利害関係者(ステークホルダー)への配慮 「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」「株主」
参照 : 「共感経営」 共感経営 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授 

「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「ステークホルダー資本主義」の発想は、全世界の経営幹部に受け入れられている
・この劇的な「変化」を見逃すと、存在を危うくする「リスク」に直面する
参照 : 「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー 

「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授

■参照した主な内容
・「過剰な生産と消費」は、大量のゴミとともに「環境」を「破壊」する
・「もっと多く」は、「」「社会」「環境」に「壊滅的」な打撃を及ぼす
・もっとましな行動があるはず
・マーケットは、「企業」を、「株主価値」を拡大させるための「道具」としてしか見ていない
参照 : 「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授 

「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト

■参照した主な内容(一部筆者補足※)
・「短期的利益追求」は、「経済合理性」に基づく
・「経済合理性」は、「費用」を「外部」に転嫁し「利益」を最大化する※
・「費用」を「外部」に転嫁することを、「外部不経済」という※
・「外部不経済」は、「環境汚染」「低賃金」「低福祉」などを拡散する※
・「外部不経済」は、「経済的繁栄」を支える「社会」「環境」を「破壊」する
・「社会」「環境」が「破壊」され、「利益追求」が不可能に陥る
・「外部不経済」による「社会課題ブーメラン
・「経済格差」が、世界的な「不安」と「社会分断」の主因である
参照 : 「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
・「新自由主義」は、「競争」による「経済成長」を追い求めた
・「経済成長」のために、環境が「破壊」され、「社会福祉」が軽んじられた
・「社会的弱者」の精神的苦痛が増すリスクがある
・「政府」は、「市場の失敗」を正す必要がある
・「持続可能包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
・「少ないモノ」で「より豊かに」暮らせる未来
・「格差による分断」「不均衡不正」「環境破壊」を止める
・「寛容」「公平」「公正」な世界を創造する必要がある
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・「底辺への競争」は、「グローバリズム」の弊害
・「規制緩和」「自由化」で「低水準化
・「労働基準」「自然環境」「社会福祉」
・『問題を生み出したのと同じ意識では、その問題を解決することはできない』
・「意思決定者」の「メンタル・イメージ(現実のとらえ方)」次第
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師