【5分で読める】人的資本 の4つの視点 第8回 パーソンセンタードケア

【5分で読める】人的資本の4つの視点は、全9回で構成されています。

人的資本を重視した考え方は、多様な分野で見ることができます。

ここでは、人的資本の4つの視点「国際的『共通善』の視点」「国際標準の視点」「経営戦略の視点」「介護福祉の視点」を取り上げます。

人的資本を多面的に捉えることによって、多くの分野で中心的価値観になりつつあることを確認できます。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】人的資本の4つの視点|バックナンバー

 ●第1部 国際的「共通善」の視点

       第1回 世界人権宣言と権力

       第2回 SDGs

       第3回 ステークホルダー資本主義

       第4回 人間の尊厳

 ●第2部 国際標準の視点

       第5回 ISO30414

 ●第3部 経営戦略の視点

       第6回 デザイン思考

       第7回 Society5.0

 ●第4部 介護福祉の視点

       第8回 パーソンセンタードケア ✅今回

 ●第5部 人的資本の重要性

       第9回 まとめ 人的資本を活かすには


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


パーソンセンタードケア

第8回は、「パーソンセンタードケア」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下の図をご覧ください。

今回は、パーソンセンタードケアについてご案内します。

↓クリックして拡大

パーソンセンタードケアの視点からみた人的資本の概観図
図表208_パーソンセンタードケア

それでは、「パーソンセンタードケア」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●「パーソンセンタードケア」は、「人中心」の認知症ケアで使われる用語です

 ●英国 ブラッドフォード大学キッドウッド教授(心理学者)によって提唱された考え方です

 ●認知症という「病気」に焦点を当てるのではなく、生活歴・性格・社会関係などの「人」に焦点を当てたケアの重要性を主張しています

 ●介助者は、残された能力を見出し、それを生活に活かす視点が重要だと記されています

 ●認知症のどの段階でも、誰にとっても「人」と「社会生活」に焦点を当て、より良く生きるための支援が必要だと強調しています

上記の「パーソンセンタードケア」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

すべての人は、年を重ねます。

「パーソンセンタードケア」は、「人を中心」とした認知症ケアで使われる用語です。

英国 ブラッドフォード大学キッドウッド教授(心理学者)によって提唱された考え方です。

認知症ケアは、「病気」に焦点を当てるのではなく、「残された能力」を見出し、「社会生活」に活かす視点が重要だと主張しています。

私自身の現場での実体験からも、その通りだと確信しています。

認知症の方に寄り添い、その気持ちを理解しようと努力することは簡単ではありません。

認知症の方の気持ちを記した手記が、私たちの理解を深めてくれます。

オーストラリアの政府高官だったブライデン(Bryden.C.)は、50歳代で認知症になり、現役を引退しました。

その後、認知症の体験を記した「私は誰になっていくの」「私は私になっていく」を出版しました。

私たち一人ひとりが構成する社会が、どのような考え方を持つかによって、社会は変わっていくはずです。

認知症に限らず、様々な理由で、人生の困難に直面する人々の力を活かせるかどうかは、私たち社会の側にかかっています。

ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス経済学博士は、「貧困や生活の困窮」は、社会が築いてきた「制度」が生み出した「人災」であると喝破しています。

1%を選別と排除によってたたえる社会か、99%のそれぞれの力を寛容と包摂の精神によって活かせる社会を創造するかは、私たち次第のようです。

「社会のあり方」については、第4回「人間の尊厳」をあわせてご参照ください。

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


次回は、「第9回 まとめ 人的資本を活かすには」になります。

参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「認知症のパーソンセンタードケア」 ブラッドフォード大学 キッドウッド教授(心理学者)

■参照した主な内容
・パーソンセンタードケア 全般
参照 : 「認知症のパーソンセンタードケア」 中央法規出版 

「認知症の理解」 中央法規出版

■参照した主な内容
・パーソンセンタードケア 全般
・英 ブラッドフォード大学 キッドウッド教授(心理学者)による「パーソンセンタードケア」の定義
参照 : 「認知症の理解」 中央法規出版 

「私は誰になっていくの?」 Christine Boden

「私は私になっていく」 Christine Boden

「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞

■参照した主な内容
・「貧困」は、人が築いてきた「制度」が生み出すもの
・「貧困」は、人災である
・「貧困」の最大の問題は、社会的な打撃から守られていないこと
・「欠陥」のある「経済理論」に洗脳された、「利益」という概念を振り払うこと
・現代資本主義理論の「最大の欠点」は、「利益の最大化」が唯一の「目的」とされていること
参照 : 「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞 

「弱者の居場所がない社会」  阿部彩 首都大学東京教授

■参照した主な内容
・生活の困窮は、人為的に作られた社会の仕組みにより生じている
・「労働規制」「社会保障制度」「教育制度」などの必然的な結果
参照 : 「弱者の居場所がない社会」  阿部彩 首都大学東京教授 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
・「寛容」「公平」「公正」な世界を創造する必要がある
・「持続可能包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者 

「Society5.0」 経団

■参照した主な内容
・Society5.0 -ともに創造する未来ー
人間中心の社会
参照 : 「Society5.0」 経団連 -ともに創造する未来ー 

「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO

■参照した主な内容
・「デザイン思考」は、「人間中心」「人間の本質」の問題解決アプローチ
・思いやりのある資本主義
参照 : 「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・『問題を生み出したのと同じ意識では、その問題を解決することはできない』
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師 

「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・管理テクニック 「不安と脅し」 時代遅れ
VUCA世界では、全く役に立たない
・深く染み付き凝り固まった規範や考え方を改める必要がある
・VUCA時代のリーダは、絶え間ない学習が必要
・VUCA時代のリーダは、みずからの考え方を意識的にリフレーミングしなければならない
・VUCA時代のリーダは、学習」「イノベーション」「成長」できる環境を創ること
・「心理的安全性」は、「才能」を引き出し「価値創造」に必要である
・「これまで」の仕事のやり方は「模倣」でしかなく、「革新的」ではない
参照 : 「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授