【5分で読める】人的資本 の4つの視点 第9回 まとめ 人的資本を活かすには
【5分で読める】人的資本の4つの視点は、全9回で構成されています。
人的資本を重視した考え方は、多様な分野で見ることができます。
ここでは、人的資本の4つの視点「国際的『共通善』の視点」「国際標準の視点」「経営戦略の視点」「介護福祉の視点」を取り上げます。
人的資本を多面的に捉えることによって、多くの分野で中心的価値観になりつつあることを確認できます。
社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。
●「5分で読める」ような工夫に努めております
●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています
●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています
●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます
●第1部 国際的「共通善」の視点
●第2部 国際標準の視点
●第3部 経営戦略の視点
●第4部 介護福祉の視点
●第5部 人的資本の重要性
第9回 まとめ 人的資本を活かすには ✅今回
世の中には多くの考え方があります。
わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。
「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。
まとめ 人的資本を活かすには
第9回は、最終回「まとめ 人的資本を活かすには」です。
最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。
下の図をご覧ください。
最終回は、まとめ 人的資本を活かすにはについてご案内します。
↓クリックして拡大
それでは、「まとめ 人的資本を活かすには」の本題にはいります。
結論は、以下のように示すことができます。
●人的資本を活かせるかどうかは、「人」を取り巻く「組織」や「社会」次第です
●VRIO分析でも、「組織」が最後に配置されています
●世界では、DEI「多様性:Diversity」「公平性:Equity」「包摂性:Inclusion」が中心的価値観になっています
●「組織」や「社会」が人的資本を活かせていない場合、「変革」が必要になります
●「変革」するためには、「過去の意識」を「リフレーミング」する必要があります
●問題を生み出した時の意識のままでは、その問題を解決することはできません
上記の「まとめ 人的資本を活かすには」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。
すべての人的資本は、「組織」や「社会」の中で活かされています。
多様な人的資本を、「組織」や「社会」の中に包摂していくためには、公正な「組織」や「社会」でなければ、人々は持てる力を発揮し貢献しようとは思わないでしょう。
世界では、人的資本を活かすために、DEI「多様性:Diversity」「公平性:Equity」「包摂性:Inclusion」が中心的価値観になっています。
組織の内部資源を分析するVRIO分析でも、持続的競争優位(一時的)を確立するためには、「経済価値:Value」「希少性:Rarity」「模倣困難性:lnimitability」が認められ、かつ、それを活かせる「組織:Organization」が必要とされています。
あなたの組織は、人的資本を活かすために、DEI「多様性:Diversity」「公平性:Equity」「包摂性:Inclusion」に基づく、組織・人事制度を構築していますか?
競争させて一部を選別し多数を排除する「不安と脅しによるマネジメント」=「過去の意識」のままでは、人的資本を活かせるはずもありません。
そこで働きたい、そこで働くことが自分とって価値があると思える組織でしょうか?
過去の常識は、未来への非常識になることが多くなりそうです。
すべての問題に共通するのは、人間が問題の中心にいるということです。
人的資本を活かすためには、「過去の意識」をリフレーミングし、「変革」する必要があるようです。
「変革」を伴う、「外部環境の変化」への「経営戦略の適合」については、【5分で読める】ステークホルダー資本主義|第9回 完 ステークホルダー資本主義をご参照ください。
今回は、最終回です。
最後に、第1回から第9回の、各回の結論をまとめます。
お時間のあるときに、ご覧ください。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。
●人類の進化の歴史は、異なる集団の間の優劣を競い、植民地主義や人種差別を生み出し、互いに傷つけあってきました
●自国の利益のために、資源をめぐる争いを繰り広げ、人的資本に壊滅的な毀損をもたらす野蛮行為を繰り返してきました
●人類の強欲で傲慢で低俗な行為の歴史の反省の上に立ち、世界人権宣言が採択されました
●権力は、その権力の下にある人々の善のために授けられるものであると、ジョン・ロックは著書で述べています
●集団の発達段階は、リーダーの発達段階を越えて進化することできません
●持続可能性を高めよりよい世界を目指す人類共通の目標です
●17のゴールを2030年までに達成するための、あらゆる活動の共通言語になっています
●株主資本主義に基づく大量生産大量消費への反省が背景にあります
●1970年から50年続いた株主資本主義の時代が終わり、ステークホルダー資本主義の時代が始まろうとしています
●人的資本や環境を著しく毀損してきた企業活動の見直しが世界の潮流になっています
●50年に一度の社会経済体制の大転換の真っただ中にあります
●大転換にあたっては、過去の常識は未来の非常識になることが多くなりそうです
●人間の尊厳とは、この世に存在していることこそに至高の価値があるという考え方のことです
●人々の思想に、人間の尊厳が深く刻まれることが重要です
●人間の尊厳が、深く刻まれた社会こそがあるべき姿です
●人間の尊厳は、社会の存立基盤として制度に活かされることが重要です
●ISO30414は、国際標準「人的資本に関する情報開示のガイドライン」のことです
●2020年に、米証券取引委員会(SEC)は、人的資本に関する情報開示をルール化しました
●2021年に、東京証券取引所(JPX)は、改定版コーポレートガバナンスコードに、人的資本の情報開示の重要性を明記しました
●ステークホルダー資本主義への転換の中で、ISO30414は重要な指標になると考えられます
●デザイン思考とは、「人間中心」の問題解決アプローチのことです
●デザイン思考は、人への「観察」「共感」「洞察」を通じて生活に役立つ製品やサービスを生み出します
●「利益中心」の大量生産・無分別な消費では持続不可能です
●デザイン思考が根付くか否かは、企業文化に依存します
●「T型人間」が分野を越境して共同作業を行うキーマンになるようです
●Society5.0は、2016年に政府の「第5次科学技術基本計画」で提唱された「人間中心」の社会の考え方のことです
●Society5.0は、現在の「第4次産業革命」の先にある「新しい社会」の姿のことです
●Society5.0は、経済界「経団連」にも浸透しています
●「新しい社会」を実現するためには、「過去の意識」をリフレーミングする必要があります
●「パーソンセンタードケア」は、「人中心」の認知症ケアで使われる用語です
●英国・ブラッドフォード大学キッドウッド教授(心理学者)によって提唱された考え方です
●認知症という「病気」に焦点を当てるのではなく、生活歴・性格・社会関係などの「人」に焦点を当てたケアの重要性を主張しています
●介助者は、残された能力を見出し、それを生活に活かす視点が重要だと記されています
●認知症のどの段階でも、誰にとっても「人」と「生活」に焦点を当て、より良く生きるための支援が必要だと強調しています
●人的資本を活かせるかどうかは、「人」を取り巻く「組織」や「社会」次第です
●VRIO分析でも、「組織」が最後に配置されています
●世界では、DEI「多様性:Diversity」「公平性:Equity」「包摂性:Inclusion」が中心的価値観になっています
●「組織」や「社会」が人的資本を活かせていない場合、「変革」が必要になります
●「変革」するためには、「過去の意識」をリフレーミングする必要があります
●問題を生み出した時の意識のままでは、その問題を解決することはできません
参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。
●外部環境の大きな変化を整理したPEST分析は、ここから確認できます
●変わりゆく社会の価値観は、ここから確認できます
●ステークホルダー資本主義への転換に向けた「人・社会・経済の良循環モデル」は、ここから確認できます
●主要参考文献は、ここから確認できます
●わたしたちの活動の全体像は、ここから確認できます
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freeeは、本業に専念するための力強い味方です。
参照箇所 一覧
「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー
■参照した主な内容
・世界のリーダーは、「多様性」「公平性」「包摂」(DEI)を高めている
・「ステークホルダー資本主義」の発想は、全世界の経営幹部に受け入れられている
・この劇的な「変化」を見逃すと、存在を危うくする「リスク」に直面する
・日本の「失われた30年」の原因は、「メンバーシップ型雇用」にある
・日本企業は、「組織体制」「人事制度」の「変革」に踏み出せていない
・「資本主義」は、250年の歴史の中で、たびたび「脱線」してきた
・元の軌道に戻せるかどうかは、「公共政策」と「一般市民の努力」如何である
参照 : 「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー
「人材版伊藤レポート」 経済産業省
■参照した主な内容
・従来の日本型の人材戦略の限界 「メンバーシップ型」
・安定性、均質性の追求 イノベーションによる価値創造を阻害
・ギャラップ社調査 日本の従業員のエンゲージメントが世界各国に比べ著しく低い
参照 : 「人材版伊藤レポート」 経済産業省
「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授
■参照した主な内容
・管理テクニック 「不安と脅し」 時代遅れ
・VUCA世界では、全く役に立たない
・「心理的に安全」な職場を作るには、「変革」が必要
・深く染み付き凝り固まった規範や考え方を改める必要がある
・リーダーの役割は、「学習」「イノベーション」「成長」できる環境を創ること
・「心理的安全性」は、「才能」を引き出し「価値創造」に必要である
・「これまで」の仕事のやり方は「模倣」でしかなく、「革新的」ではない
参照 : 「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授
「経営者の教科書」 ハーバードビジネスレビュー
■参照した主な内容
・「外部環境」は、「戦略」の「前提」である
・「外部環境」の「変化」に応じて、「戦略」を見直し「適合」させる
・生え抜きの人材が、執行役員になる
・既存の組織に熟達した人材では、「新しい戦略課題」への対応に時間がかかる
・他社の人材を引き抜いても、40%程度は1年半で辞める
参照 : 「経営者の教科書」 ハーバードビジネスレビュー
「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者
■参照した主な内容
・「寛容」「公平」「公正」な世界を創造する必要がある
・「持続可能で包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
・「新自由主義」は、「競争」による「経済成長」を追い求めた
・「経済成長」のために、環境が「破壊」され、「社会福祉」が軽んじられた
・「社会的弱者」の精神的苦痛が増すリスクがある
・「政府」は、「市場の失敗」を正す必要がある
・「持続可能で包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
・「少ないモノ」で「より豊かに」暮らせる未来
・「格差による分断」「不均衡や不正」「環境破壊」を止める
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者
「デザイン思考の教科書」 ハーバードビジネスレビュー
■参照した主な内容
・人間中心のデザイン
・問題のすべてに共通しているのは、その中心にいるのは人間であるということ
・「デザイン思考」の3段階のプロセス 「着想」「概念化」「実現化」
・創造性を阻む4つの恐れ
・「人工物自体のデザイン」と「導入方法のデザイン」
・リーダーシップの重要性 効率性や生産性を重視する文化と異なるデザイン思考
・「心理的安全性」の高い組織の必要性
・「称賛される失敗」と「非難される失敗」
参照 : 「デザイン思考の教科書」 バーバードビジネスレビュー
「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師
■参照した主な内容
・『問題を生み出したのと同じ意識では、その問題を解決することはできない』
・「意思決定者」の「メンタル・イメージ(現実のとらえ方)」次第
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師
「ティール組織」 フレデリック・ラルー
■参照した主な内容
・「どんな問題も、それをつくり出したときの意識レベルのままでは解決できない」
参照 : 「ティール組織」 フレデリック・ラルー
「MBA マネジメント・ブック」 グロービス経営大学院
■参照した主な内容
・経営戦略の「階層構造」
・RBV(リソースベースドビュー)
参照 : 「MBA マネジメント・ブック」 グロービス経営大学院
「マネジメント・テキスト 経営戦略入門」 網倉久永/新宅純二朗 日本経済新聞社
■参照した主な内容
・経営戦略 3階層
・VRIO分析
参照 : 「マネジメント・テキスト 経営戦略入門」 網倉久永/新宅純二朗 日本経済新聞社
「基本フレームワーク50」 グロービス ダイヤモンド社
■参照した主な内容
・VRIO分析
参照 : 「基本フレームワーク50」 グロービス ダイヤモンド社
「Society5.0」 経団連
■参照した主な内容
・Society5.0 -ともに創造する未来ー
・人間中心の社会
参照 : 「Society5.0」 経団連 -ともに創造する未来ー
「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO
■参照した主な内容
・「デザイン思考」は、「人間中心」「人間の本質」の問題解決アプローチ
・思いやりのある資本主義
参照 : 「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO