【5分で読める】 ステークホルダー資本主義 第4回 利益追求活動の社会的影響は?

【5分で読める】|ステークホルダー資本主義への大転換は、全9回で構成されています。

50年に一度のステークホルダー資本主義への大転換の全容を、わかりやすくご案内できるよう努めます。

全9回を読み進めるうちに、点が線に、線が面になるように工夫してまいります。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】|ステークホルダー資本主義への大転換|バックナンバー

 ●第1回 ステークホルダー資本主義とは

 ●第2回 これまでの世界:利益のために何をしてきたのか?

 ●第3回 これまでの世界:利益のための活動を正当化した背景は何か?

 ●第4回 これまでの世界:利益のための活動が社会にどのような影響を及ぼしてきたのか? ✅今回

 ●第5回 転換点:ステークホルダー資本主義に転換したきっかけは何だったのか?

 ●第6回 転換点:ステークホルダー資本主義への転換を後押しした背景は何か?

 ●第7回 これからの世界:何を中心に考えたらよいのか?

 ●第8回 これからの世界:変わりゆく社会の価値観

 ●第9回 まとめ ステークホルダー資本主義の世界に向けて


世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


これまでの世界:利益のための活動が社会にどのような影響を及ぼしてきたのか?

第4回は、「これまでの世界:利益のための活動が社会にどのような影響を及ぼしてきたのか?」、です。

最初に、今回が全9回のなかで、どこに位置づけられるのか、「全体と部分」をわかりやすく図表でご案内します。

赤い線で囲まれているところが、今回の内容に該当します。

↓クリックして拡大

メガトレンドをPEST分析してステークホルダ資本主義への大転換を示した図(第4回)
図表01_メガトレンドPEST相関図

それでは、「これまでの世界:利益のための活動が社会にどのような影響を及ぼしてきたのか?」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●「規制緩和」と「自由化」により、「企業活動」の「グローバル化」が促進された

 ●「グローバル企業」は、「経済活動」を強力に推進し、「株主利益の最大化」を追求した

 ●「グローバル企業」は、「工業化」による「大量生産」「大量販売」により、莫大な「利益」を獲得した

 ●「利益」のための活動は、「人々」を苦しませ、「社会」を分断させ、「環境」を破壊した

 ●「利益」のための活動は、「人」「社会」「環境」の持続可能性を、危機的な状況に陥れた

 ●「利益」のための「経済活動」に抗議する、「反グローバル運動」が展開され、企業価値の毀損を招いた

上記の結論について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

「政策」に後押しされた「グローバル企業」は、貪欲に「株主利益の最大化」を追い求めました。

「人々」は、低賃金で搾取され貧困に陥り、物心ともに大変な苦痛を被りました。

「社会」は、格差拡大で分断し、不安と疑心が渦巻く不健全な状態に陥りました。

「環境」は、著しく破壊され、温暖化による気候変動で大規模な災害が頻発するようになりました。

結果、「人」「社会」「環境」を持続不可能の淵に至らしめた「グローバル企業」は、人々に受け入れられず、企業価値を毀損することになりました。

これまでの流れを、わかりやすく図表化しました。

下の図をご覧ください。

↓クリックして拡大

PEST分析で価値観が根底から変わりステークホルダ資本主義へのパラダイムチェンジを示している図(第4回)
図表02_パラダイムチェンジ_PEST

今回は、これで終わりになります。

お読みくださりありがとうございました。


次回は、「第5回 転換点:ステークホルダー資本主義に転換したきっかけは何だったのか?」になります。

参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

あわせて読みたい
【PR】わたしたちの体験談 おすすめ

Web製作の経験がなくても、簡単な設定で、
あっという間にこのサイトを立ち上げることができました。

毎日、WordPressで、記事を投稿しています。

このサイトは、【ConoHa WING】で、安定的に運用できています。

【PR】わたしたちの体験談 おすすめ

無料で、開業手続きができました。電子申請でしたので、自宅からあっという間でした。

その後、freee会計と、事業用のfreee Masterカードで、経理業務の負荷が大幅に軽減されました。

カードの利用履歴は、freee会計に、自動登録されます。あとは、確認して承認するだけ。

確定申告も、あっという間に終わりました。

freeeは、本業に専念するための力強い味方です。

参照箇所 一覧

「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト

■参照した主な内容(一部筆者補足※)
・「短期的利益追求」は、「経済合理性」に基づく
・「経済合理性」は、「費用」を「外部」に転嫁し「利益」を最大化する※
・「費用」を「外部」に転嫁することを、「外部不経済」という※
・「外部不経済」は、「環境汚染」「低賃金」「低福祉」などを拡散する※
・「外部不経済」は、「経済的繁栄」を支える「社会」「環境」を「破壊」する
・「社会」「環境」が「破壊」され、「利益追求」が不可能に陥る
・「外部不経済」による「社会課題ブーメラン
・「経済格差」が、世界的な「不安」と「社会分断」の主因である
参照 : 「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト 

「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「グローバル企業」の「ナイキ」の「経営活動」
・「新興国」で、「奴隷並みの賃金強制的な時間外労働、職権乱用
・一九九〇年代半ば、アメリカの諸大学で「反グローバリズム」の抗議運動が激化
参照 : 「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー 

「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者

■参照した主な内容
・「反グローバル運動」は、「不道徳」「悪習」「腐敗」を明らかにした
・世界中に、「貧困」を蔓延させた
参照 : 「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者 

「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「株主資本主義」は、若い世代に大きなツケを残した
・「物質」的には充実したが、その「代償」として「平等」「地球」が「犠牲」になった
参照 : 「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー 

「最後の資本主義」 ロバート・B・ライシュ カリフォルニア大学バークレー校大学院教授

■参照した主な内容
・「自由市場」の5つの要素は、「所有権」「独占」「契約」「破産」「執行」
「政治」によって、「自由市場」は形づくられる
・「自由市場」のルールは、「資本家」を利し、「大多数の個人」が損をする仕組みを内包
・「自由市場」のルールは、信頼を失いつつあり、大多数の個人の怒りが鬱積している
・「信頼を失った社会」では、「ルール違反」「無気力」「自己犠牲を伴う社会システムへの抵抗」が蔓延する
・「富の偏在」は、結果として「富を有する者」にも利益をもたらさなくなる
「資本主義」のみならず「民主主義」の危機にある
「誰のための政府か」を問い直す必要がある
「ステークホルダ資本主義」「ベネフィット・コーポレーション」の必要性
・「現代奴隷法」が、英国、豪州で施行
参照 : 「最後の資本主義」 ロバート・B・ライシュ カリフォルニア大学バークレー校大学院教授 

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授

■参照した主な内容
・能力主義的なおごりを持つ者が、労働者を見下し、労働の尊厳を蝕み、屈辱の感情を抱かせ、絶望死が増加した
・学歴偏重主義者は、大学を出ていない人に対する陰湿な偏見を持ち、一般の人々を見下し、社会的な軋轢を招いてきた
・屈辱的な扱いを受けてきた労働者の怒りが、能力主義的なおごりを持つ一部のエリートや政党への反乱として表面化した
・学歴偏重主義は、人種差別、性差別に続き、容認されている最後の偏見である
・能力は、富貧などの環境に依存し、たまたまその能力を評価する社会に生まれただけで、本人の手柄ではなく、運の問題である
・学歴評価のヒエラルキーを解体し、所得と富の公平な分配を目指す方向性もある
労働活動は、共通善への貢献であることがわかるような社会をつくる
労働者が、家族とコミュニティーを支えるために安定した十分な給与を得られる政策を実現する
現代で重要 イノベーション、柔軟性、起業家精神、新たなスキルを身に着けようとする不断の意思
参照 : 「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授 

「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授

■参照した主な内容
・「過剰な生産と消費」は、大量のゴミとともに「環境」を「破壊」する
・「もっと多く」は、「」「社会」「環境」に「壊滅的」な打撃を及ぼす
・もっとましな行動があるはず
・マーケットは、「企業」を、「株主価値」を拡大させるための「道具」としてしか見ていない
・「強欲」が、「社会」に及ぼした「ダメージ」はきわめて大きい
参照 : 「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授 

「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・世界が直面する「危機
・「格差」「気候変動」「パンデミック
・「社会」や「地球環境」の「持続可能性
参照 : 「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・「底辺への競争」は、「グローバリズム」の弊害
・「規制緩和」「自由化」で「低水準化
・「労働基準」「自然環境」「社会福祉
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
・「新自由主義」は、「競争」による「経済成長」を追い求めた
・「経済成長」のために、環境が「破壊」され、「社会福祉」が軽んじられた
・「社会的弱者」の精神的苦痛が増すリスクがある
・「絶望による死」に追い込まれる人が出る
・「政府」は、「市場の失敗」を正す必要がある
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

「ティール組織」 フレデリック・ラルー

■参照した主な内容
・現代の危機的状況
・「地球温暖化」「人口増加」「天然資源の枯渇」「生態系の崩壊」
参照 : 「ティール組織」 フレデリック・ラルー 

「社会的共通資本」 宇沢弘文 経済学者

■参照した主な内容
・化石燃料の「大量消費」によって、「地球温暖化」が引き起こされている
・「産業革命」の必然的帰結である
参照 : 「社会的共通資本」 宇沢弘文 経済学者 

「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「競争」自体が、「自己目的化」してしまう
参照 : 「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授 

「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞

■参照した主な内容
・「貧困」は、人が築いてきた「制度」が生み出すもの
・「貧困」は、人災である
・「貧困」の最大の問題は、社会的な打撃から守られていないこと
参照 : 「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞 

「弱者の居場所がない社会」  阿部彩 首都大学東京教授

■参照した主な内容
・生活の困窮は、人為的に作られた社会の仕組みにより生じている
・「労働規制」「社会保障制度」「教育制度」などの必然的な結果
参照 : 「弱者の居場所がない社会」  阿部彩 首都大学東京教授 

「子どもと貧困」 朝日新聞取材班

■参照した主な内容
・「子どもの貧困率」 13.9% 7人に1人 2015年
参照 : 「子どもと貧困」 朝日新聞取材班 

「ミッシングワーカーの衝撃」 NHKスペシャル取材班

■参照した主な内容
・「社会」から「排除」された、40代、50代
・「ミッシングワーカー」 103万人
参照 : 「ミッシングワーカーの衝撃」 NHKスペシャル取材班 

「ロストジェネレーション」 朝日新聞社

■参照した主な内容
・派遣や請負労働の問題点
・「長時間労働」「低賃金」「人間性の無視」「自殺
参照 : 「ロストジェネレーション」 朝日新聞社 

「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「これまでの資本主義」は、「低コスト」の追求で「利益」を最大化する考え方が主流
・「地域社会」の「犠牲」の上に「利益」を生み出した
・「正しくない」「賢明ではない」
・「新しい資本主義」は、「共通価値」を創造することである
参照 : 「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授 

「年輪経営」 塚越寛 伊那食品工業株式会社会長

■参照した主な内容
・人の「犠牲」による「利益」は、「利益」ではない
・「法律」「条令」「規則」は、人々が幸せになるためにある
参照 : 「年輪経営」 塚越寛 伊那食品工業株式会社会長