【5分で読める】企業倫理 と ステークホルダー資本主義 第9回 まとめ

【5分で読める】企業倫理 と ステークホルダー資本主義は、全9回で構成されています。

「倫理・思想」の発展が「理論」の基礎となり、「理論」が社会を形作る「政治」の拠り所となり、「政治」が人々の「経済活動」を方向付けてきた歴史的な流れを概観します。

2019年8月以降、世界の社会経済の仕組みが、「株主資本主義」から「ステークホルダー資本主義」に、50年に一度の「パラダイムチェンジ」を遂げつつあります。

近年では、組織の性質を形づくる価値観の体系ともいえる「企業倫理」への関心が高まり、「SDGs」「ESG」「DEI」等の「社会的要請」への、企業の対応が注目されています。

社内研修やOJT等で、十分な学習機会を得ることができなかった境遇にある場合には、是非お役立てください。

この記事の特徴

 ●「5分で読める」ような工夫に努めております

 ●「図表」を使い、わかりやすい説明をこころがけています

 ●文献や論文の「参照箇所」を明示し、品質の担保に努めています

 ●お時間のあるときに、「参照箇所」を読んで理解を深めることができます

【5分で読める】企業倫理 と ステークホルダー資本主義|バックナンバー

世の中には多くの考え方があります。

わたしたちの考えが、独善的な思い上がりに陥らないよう、一定の社会的な同意を与えてくれ、帰納的に援護してくれた言葉や内容を明示します。

「出所」とともに「参照箇所一覧」に整理いたしました。


まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」

第9回は、最終回 「まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」」です。

最初に、「現在地:全体と部分」を、図表でわかりやすくご案内します。

下図の赤枠の中をご覧ください。

今回は、まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」についてご案内します。

↓ クリックして拡大

「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」の全体像を可視化した図表
図表809_「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」

それでは、最終回 「まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」」の本題にはいります。

結論は、以下のように示すことができます。

 ●「倫理の捉え方」は、「結果」を重視する「帰結主義」から、「動機・目的」を重視する「非帰結主義」に変化しました

 ●「規範としての倫理」は、「倫理的利己主義・功利主義」から、「義務論・正義論・共通善」に変化しました

 ●「理論」は、「資本主義と自由」から、「共通価値の戦略」に変化しました

 ●「政治」は、「規制緩和・自由化:競争政策」から、「環境・社会・企業統治:ESG」に変化しました

 ●「経済」は、「株主資本主義」から、「ステークホルダー資本主義」に変化しました

 ●「企業の目的」は、「株主利益の最大化」から、「社会的価値の創造」「SDGs」に変化しました

 

 ●企業を取り巻く「外部環境」は、「倫理」「理論」「政治」「経済」「目的」のあらゆる面で、50年に一度の激変の中にあります

 ●企業を取り巻く「外部環境」の50年に一度の激変は、「内部環境」の「変革」を必要とします

 ●「内部環境」の「変革」は、「戦略」「組織」「人事」「マーケティング」「財務」「情報化」「リーダーシップ」のあらゆる分野に影響します

 ●「過去」の延長線上に、私たちの「未来」はないようです

上記の、まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」の定義について、「参照」した箇所は、以下の参照箇所一覧をご覧ください。

第1回 規範としての倫理:「帰結主義」と「非帰結主義」では、

「倫理の捉え方」について、「結果」を重視する「帰結主義」から、「動機・義務・目的」を重視する「非帰結主義」への変化を確認してきました。

第2回 フリードマンの「資本主義と自由」と「株主資本主義」では、

1970年代から2019年の50年間の社会経済体制を形作った、「倫理」「理論」「政治」「経済体制」「企業の目的」について確認してきました。

「倫理観」は、「自己利益の最大化」を追求する「倫理的利己主義」でした。

「倫理観」に基づいた「理論」は、フリードマンの著書「資本主義と自由」でした。

「理論」を拠り所にした「政治」は、「規制緩和・自由化:競争政策」でした。

「規制緩和・自由化」による「競争政策」は、「新自由主義」として、世界中に広まりました。

「政治」に基づく「経済体制」は、「株主資本主義」でした。

「企業の目的」は、「株主利益の最大化」でした。

第3回 「リバタリアニズム」と「社会課題ブーメラン」では、

1970年代から2019年の50年間の社会経済体制を形作った、「倫理」「理論」「政治」「経済体制」「企業の目的」が、社会に及ぼした影響「社会課題ブーメラン」について確認してきました。

フリードマンの「倫理」「理論」が推進した、「自由な競争」による「自己利益の最大化」を目指す社会の在り方は、「リバタリアニズム」と呼ばれていました。

「リバタリアニズム」は、「自己利益の最大化」の足かせになる「費用」を外部に転嫁してきました。

「利益」のための「費用」の外部化は、世界中に「環境破壊」「貧困」「低福祉」「社会の分断」を招きました。

「利益」のための活動が「人」「社会」「環境」を傷つけ、「企業」の活動が「持続不可能」に陥る「社会課題ブーメラン」として跳ね返ってきました。

第4回 ベンサムの「功利主義」と「フォード社のピント事件」では、

もう一つの「結果」を重視する「帰結主義」である、ベンサムの「功利主義」と、「功利主義」の限界を露呈した「フォード社のピント事件」を確認してきました。

「フォード社のピント事件」は、「少数派の犠牲」の上に成り立つ「最大多数派の便益」という、「功利主義」の原理の限界を示していました。

第5回 カントの「義務論」とロールズの「正義論」では、

「帰結主義」の否定と「功利主義」の限界を克服するための試みを確認しました。

「カント」の「義務論」は、「帰結主義」そのものを打算的だとして否定し、

「ロールズ」の「正義論」は、「功利主義」の限界の克服を試み、「正義の3つの原理」を示しました。

第6回 サンデルの「コミュニタリアニズム」と「共通善」では、

「ロールズ」の「正義論」の根底にある「選択の自由」と「倫理」の関係を整理し、多くの人々に共通する「共通善」を導いたサンデルの功績を確認しました。

サンデルは、「規範としての倫理」は人々が「自由」に「選択」できるものではなく、人々の「連帯の歴史的記憶」や「コミュニティーの伝統」の影響を受けるという「コミュニタリアリズム」を主張しました。

さらに、多くの人々の「連帯の歴史的記憶」や「コミュニティーの伝統」に共通する「共通善」の概念を示しました。

第7回 ポーターの「共通価値の戦略」と「ステークホルダー資本主義」では、

新しい理論「共通価値の戦略」、新しい企業の目的「社会的価値の創造」、新しい経済体制「ステークホルダー資本主義」について確認しました。

ポーターは、「株主利益の最大化」を目指す「偏狭な経済体制:株主資本主義」を否定しました。

ポーターは、「企業の目的」は「株主利益の最大化」ではなく、「社会的価値」を創造することにより「経済的価値」を創造する「共通価値の戦略」に基づく「事業活動」に取り組む必要性を主張しました。

ポーターの新しい理論「共通価値の戦略」は、米国最大の経済団体「ビジネスラウンドテーブル」に大きな影響を与えました。

「ビジネスラウンドテーブル」は、「株主第一主義」と決別し、「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」「株主」すべてのステークホルダー(利害関係者)に貢献する、「ステークホルダー資本主義」への転換を宣言しました。

第8回 「共通善」と「SDGs」では、

世界の人々に共通する「社会課題:SDGs」が、「倫理」「理論」「政治」「企業の目的」「経済体制」の転換によって導かれてきたことを確認しました。

「SDGs」は、「倫理」の面ではサンデルの「共通善」に、「理論」の面ではポーターの「共通価値の戦略」に、「政治」の面では「環境・社会・企業統治:ESG」に、「経済」の面ではビジネスラウンドテーブルの「ステークホルダー資本主義」に、「企業」の面では「パーパス経営」に導かれてきたことを確認してきました。

最後の、第9回 まとめ 「企業倫理」と「ステークホルダー資本主義」では、

企業を取り巻く「外部環境」が、50年に一度の大転換の最中にあることを整理しました。

「倫理の捉え方」は、「結果」を重視する「帰結主義」から、「動機・目的」を重視する「非帰結主義」に変化しました。

「規範としての倫理」は、「倫理的利己主義・功利主義」から、「義務論・正義論・共通善」に変化しました。

「理論」は、「資本主義と自由」から、「共通価値の戦略」に変化しました。

「政治」は、「規制緩和・自由化:競争政策」から、「環境・社会・企業統治:ESG」に変化しました。

「経済」は、「株主資本主義」から、「ステークホルダー資本主義」に変化しました。

「企業の目的」は、「株主利益の最大化」から、「社会的価値の創造」「SDGs」に変化しました。

企業を取り巻く「外部環境」は、「倫理」「理論」「政治」「経済」「目的」のあらゆる面で、50年に一度の激変の中にあります。

企業を取り巻く「外部環境」の50年に一度の激変は、「内部環境」の「変革」を必要とします。

「内部環境」の「変革」は、「戦略」「組織」「人事」「マーケティング」「財務」「情報化」「リーダーシップ」のあらゆる分野に影響します。

50年に一度のトレンド大転換についてご興味のある方は、「【5分で読める】 ステークホルダー資本主義 第8回 変わりゆく社会の価値観」をご覧ください。

最後に、世界的ベストセラー「LIFE SHIFT」からの引用で締めくくりたいと思います。

未来が過去の延長線上にない

参照 : 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

今回は、最終回です。

最後に、第1回から第9回の、各回の結論をまとめます。

お時間のあるときに、ご覧ください。

最後まで、お読みくださりありがとうございました。

第1回 規範としての倫理 : 「帰結主義」と「非帰結主義」

 ●「倫理」は、とても身近なものです

 ●「倫理」とは、「人や社会」のあり方の拠り所になる規範のことです

 ●「倫理」は、時代とともに発展してきました

 

 ●「倫理」の考え方は、「帰結主義」と「非帰結主義」に大別できます

 

 ●「帰結主義」は、「行為」の「結果(帰結)」に着目する考え方です

 ●「帰結主義」では、「倫理的利己主義(フリードマン)」「功利主義(ベンサム)」が知られています

 

 ●「非帰結主義」は、「行為」の「動機・義務・目的」に着目する考え方です

 ●「非帰結主義」では、「義務論(カント)」「正義論(ロールズ)」が知られています

第2回 フリードマンの「資本主義と自由」と「株主資本主義」

 ●「フリードマン」は、米国のノーベル経済学受賞者で「資本主義と自由」を著した人物です

 

 ●「フリードマン」は、「自己利益の最大化」のために「自由」に行動することが倫理的に正しいと考えていました

 ●「フリードマン」は、「自由で制約のない市場」を支持し、「政府規制」に反対しました

 ●「フリードマン」は、1970年に、「企業の目的」を、「自由で制約のない市場」で「株主利益を最大化」することであると定義しました

 

 ●「自己利益の最大化」のために「経済合理的」に行動すべしとする考え方は、「倫理的利己主義」と呼ばれています

 ●「企業」が「株主」のために「利益の最大化」を目指す社会経済体制を、「株主資本主義」と呼んでいます

 ●「株主資本主義」は、50年間に渡り、社会の仕組みに深く根差すことになりました

第3回 「リバタリアニズム」と「社会課題ブーメラン」

 ●「フリードマン」は、「政府規制」のない「経済的に自由な市場」で、「自己利益の最大化」のために、「経済合理的」に行動する「倫理的利己主義」を主張しました

 

 ●「倫理的利己主義」は、米国社会で広く支持されるようになりました

 ●「倫理的利己主義」を支持する人々は「リバタリアン」と呼ばれ、「リバタリアン」の考え方は「リバタリアニズム」と呼ばれています

 

 ●社会に浸透した「リバタリアニズム」は、「政治」に大きな影響を与えました

 ●1980年代以降、「米レーガン政権」「英サッチャー政権」は、「規制緩和」と「自由化」を推し進めました

 ●「規制緩和」と「自由化」の「政治」的な流れは、「新自由主義」と呼ばれ、世界に広まりました

 ●「企業」は、「政策」に後押しされ、「株主利益の最大化」のために「グローバル化」を推進しました

 

 ●「利益」のための経済合理的な活動は、「環境破壊」「貧困」「低福祉」「社会の分断」を招きました

 ●「人」「社会」「環境」が傷つき、「経済活動」の持続が困難になる「社会問題」が、世界中に蔓延しました

 ●「利益」のための活動が、「社会課題ブーメラン」として「企業」に跳ね返ってくる結果となりました

第4回 ベンサムの「功利主義」と「フォード社のピント事件」

 ●「ベンサム」は、英国の「経済学者・哲学者」で「公の利益」の考え方の礎を築きました

 

 ●「ベンサム」は、人々の「快楽や幸福(効用)を最大化」することが倫理的に正しいと考えていました

 ●「快楽や幸福(効用)の最大化」は、「最大多数の最大幸福」の原則と言われ、「功利主義」と呼ばれています

 ●「功利主義」は「公の利益の最大化」の原理として、「倫理的利己主義」の「私の利益の最大化」と対比されることがあります

 

 ●「フォード社」が、1970年代に人気車「ピント」の欠陥に対し、「功利主義」の原理を適用し、社会問題化しました

 ●「フォード社」は、販売済みの人気大衆車「ピント」のリコール費用を、欠陥により死傷している人々への補償金の想定総額のおよそ3倍にのぼると、「費用便益分析」をしていました

 ●人気大衆車「ピント」の最大多数のユーザーの満足(便益)と、欠陥により死傷している少数派の人々への補償(費用)を天秤にかけ、欠陥に対する手を打ちませんでした

 ●「少数派の犠牲」の上に成り立つ「最大多数派の便益」は、「功利主義」の原理の限界を示していました

第5回 カントの「義務論」とロールズの「正義論」

 ●「カント」は、ドイツの哲学者で、「行為」の「結果」に着目する「帰結主義」は打算的だとして否定しました

 ●「カント」の考え方は、「行為」の「動機・義務・目的」に着目する「非帰結主義」に属します

 ●「非帰結主義」では、「義務論(カント)」「正義論(ロールズ)」が知られています

 

 ●「ロールズ」は、米国の哲学者で、「功利主義」では実現できない「少数派」への公平さや権益の「分配の正義」を主張しました

 ●「ロールズ」は、「正義の原則」は「3つの原理」で構成されることを示しました

 ●「3つの原理」は、「自由・平等の原理」「格差原理」「公正機会均等の原理」です

 ●「自由・平等の原理」は、人々は他人の自由に抵触しない限り、基本的に自由であり平等であるということです

 ●「格差原理」は、不利な立場の人々の利益が最大となるような社会的経済的な不平等は認められるということです

 ●「公正機会均等の原理」は、不利な立場の人々に公平・平等な機会が保証されるということです

第6回 サンデルの「コミュニタリアニズム」と「共通善」

 ●「サンデル」は、米国の哲学者で、「正義論(ロールズ)」の「選択の自由」と「規範としての倫理」の関係を整理しました

 

 ●「サンデル」は、独立した個人が、「自由」に「規範としての倫理」を「選択」できるわけではないと主張しました

 ●「サンデル」は、人々の「連帯の歴史的記憶」や「コミュニティーの伝統」が、「規範としての倫理」に大きな影響を与えると考えていました

 ●「規範としての倫理」が、人々の「連帯の歴史的記憶」や「コミュニティーの伝統」の影響を受けるという考え方を、「コミュニタリアニズム:共同体主義」と呼んでいます

 

 ●「サンデル」は、多くの人々の「連帯の歴史的記憶」や「コミュニティーの伝統」に共通する「善」を、「共通善」と呼びました

 ●「サンデル」は、人々が、「善良な生活」とは何か、「共通善」とは何かを、ともに考える必要があると説いています

 ●「サンデル」は、「共通善」に基づく「政治」が、「善き市民」を育成し、「公民的生活基盤」を再構築する必要があると主張しました

第7回 ポーターの「共通価値の戦略」と「ステークホルダー資本主義」

 ●「ポーター」は、米国の経営学者で、「競争戦略」で最も著名な研究者の一人です

 

 ●「ポーター」は、「株主利益の最大化」を目指す「偏狭な経済体制:株主資本主義」を否定しました

 

 ●「ポーター」は、「資本主義」の持つ本来の力を、「社会課題」の解決のために活かすべきだと主張しました

 ●「ポーター」は、「企業の目的」は、「社会的価値」を創造することにより「経済的価値」が創造される「事業活動」に取り組むことだと主張しました

 ●「社会的価値」と「経済的価値」の両立を目指す考え方を、「共通価値の戦略:CSV Creating Shared Value」と呼んでいます

 

 ●「ポーター」の「共通価値の戦略」は、米国最大の経済団体「ビジネスラウンドテーブル」に大きな影響を与えました

 ●「ビジネスラウンドテーブル」は、2019年8月に「米国企業は株主第一主義と決別すべき」との声明を発出しました

 ●「米国企業」は、「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」「株主」すべてのステークホルダー(利害関係者)に貢献すると宣言しました

 ●「すべてのステークホルダー(利害関係者)」への貢献を目指す経済体制を、「ステークホルダー資本主義」と呼んでいます

 

 ●「ステークホルダー資本主義」体制下における「企業の目的」は、「社会課題」を解決して「社会的価値」を創造する「事業活動」に取り組み、「経済的価値」も実現していくことになります

 ●どのような「社会的価値」を創造するのかという「目的」を定めて「事業活動」に取り組むことを、「パーパス経営」と呼んでいます

 

 ●1970年代から50年間続いてきた「株主資本主義」は、多くの過ちの反省の上に立ち、「ステークホルダー資本主義」に大転換を遂げようとしていますす

第8回 「共通善」と「SDGs」

 ●「SDGs」は、国際連合が定めた、人類に「共通」する17の「社会課題」のことです

 ●「SDGs」は、「倫理面」ではサンデルの「共通善」に、「理論面」ではポーターの「共通価値の戦略」に、「実行面」ではビジネスラウンドテーブルの「ステークホルダー資本主義」に後押しされ、今後ますます加速していくものと考えられます

 ●「企業」を取り巻く外部環境は、「株主資本主義」から「ステークホルダー資本主義」「SDGs」「共通価値の戦略」に、激変しています

 

 ●「サンデル」は、「倫理」の観点から、「共通善」に基づく「政治」により、「善良な生活をする善き市民」を育成し、「公民的生活基盤」を再構築する必要性を説いていました

 ●「ポーター」は、「理論」の観点から、「企業の目的」は、「社会課題」を解決し「社会的価値」と「経済的価値」を創造する「事業活動」に取り組む必要があると主張していました

 ●「ビジネスラウンドテーブル」は、「実行」の観点から、すべてのステークホルダーに貢献する「ステークホルダー資本主義」の推進を宣言しました

 

 ●「SDGs」は、私たち一人ひとりが、「善良な生活をする善き市民」として、17の「社会課題」に目を向け、「ステークホルダー資本主義」の担い手になることを意味していると考えられます


参照箇所一覧は、お時間のあるときにご参照ください。

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参照箇所 一覧

「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

■参照した主な内容
人生100年時代 
・「未来が過去の延長線上にない
・「労働市場」の急速な変化で、「学び直し」「スキル再習得」が必須
・企業の人事部門は、制度の「大改革」が必要
・政府は、法制度の「再設計」が必要
参照 : 「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット 

「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・リーダーの役割は、「学習」「イノベーション」「成長」できる環境を創ること
・「目的」をはっきり伝えて、意欲を高める
・「心理的安全性」は、「才能」を引き出し「価値創造」に必要である
・「心理的に安全」な職場を作るには、「変革」が必要
・深く染み付き凝り固まった規範や考え方を改める必要がある
・管理テクニック 「不安と脅し」 時代遅れ
・VUCA世界では、全く役に立たない
・「これまで」の仕事のやり方は「模倣」でしかなく、「革新的」ではない

参照 : 「恐れのない組織『心理的安全性』が学習・イノベーション・成長をもたらす」 エイミー・C・エドモンドソン ハーバードビジネススクール教授 

「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル 

■参照した主な内容
・現代で重要 イノベーション、柔軟性、起業家精神、新たなスキルを身に着けようとする不断の意思
参照 : 「実力も運のうち 能力主義は正義か?」 マイケル・サンデル 

「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「期待感」の高い「未来を描き」、「納得・腹落ち(センスメイキング)」させること
・「脱成熟化」に向けた「イノベーション」の促進
・「イノベーション」は、「遠くの知」と新しく「組み合わせ」ること

・2019年8月 米国の経団連 「ビジネスラウンドテーブル」
・「米国企業は、これからは株主第一主義を否定すべきだ」との声明発表
・180人の企業経営者の署名付き

・「競争」自体が、「自己目的化」してしまう
・「エンロン」「ワールドコム」の「大型不正会計事件」

・「SOX法」「J-SOX法 2006年」「内部統制」の規定
・日本企業の課題 「メガトレンド」に基づく「中期経営計画」の策定が必要

参照 : 「世界標準の経営理論」 入山章栄 早稲田大学大学院ビジネススクール教授 

「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師

■参照した主な内容
・『問題を生み出したのと同じ意識では、その問題を解決することはできない』
・「意思決定者」の「メンタル・イメージ(現実のとらえ方)」次第

・「労働基準」「自然環境」「社会福祉」
・「底辺への競争」は、「グローバリズム」の弊害
・「規制緩和」「自由化」で「低水準化」
・「労働基準」「自然環境」「社会福祉」
参照 : 「学習する組織」 ピーター・M・センゲ MIT経営大学院上級講師  

「ティール組織」 フレデリック・ラルー

■参照した主な内容
「どんな問題も、それをつくり出したときの意識レベルのままでは解決できない」
・利益ではなく「存在目的」の達成に注力するほど
・「競争」という概念がばかげて見える。全く意味がない
・多くの「利益」を獲得できる
・「グローバル企業」は、「達成型組織」である
・代表的な企業「ウォルマート」「ナイキ」「コカ・コーラ」
・「成長」と「利益」が重視される
・「強欲」な「株主」の視点で経営される
・取引先や顧客、従業員に、「権力」を行使する

参照 : 「ティール組織」 フレデリック・ラルー 

「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO

■参照した主な内容
・「T型人間」の、分野を越境して共同作業する資質が必要
・思いやりのある資本主義
・「利益のためではなく人々のため」のデザイン

・生産性・効率性を重視する企業文化では、デザイン思考は失敗する可能性が高い
・「工業化時代」の、「大量生産」「無分別な消費」では、「持続不可能」
参照 : 「デザイン思考が世界を変える」 ティム・ブラウン IDEO CEO 

「ハイ・コンセプト」 ダニエル・ピンク

■参照した主な内容
ハイコンセプト、ハイタッチ
・情報化社会からコンセプチュアル社会へ
全体的思考力、新しい発想力共感力目的追求
これからの時代に必要な6つの感性
・MBA人材とMFA人材 デザイン
・論理より共感
参照 : 「ハイ・コンセプト」 ダニエル・ピンク 

「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「リーダー」がやるべきこと
「存在意義」「パーパス(目的)」の明確化
世界の「変革」
・「成長」と「利益」の道筋
・「株主資本主義」は、若い世代に大きなツケを残した
・「物質」的には充実したが、その「代償」として「平等」「地球」が「犠牲」になった
参照 : 「これからの人事」 ハーバードビジネスレビュー 

「経営者の教科書」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「外部環境」は、「戦略」の「前提」である
・「外部環境」の「変化」に応じて、「戦略」を見直し「適合」させる

・生え抜きの人材が、執行役員になる
・既存の組織に熟達した人材では、「新しい戦略課題」への対応に時間がかかる
・他社の人材を引き抜いても、40%程度は1年半で辞める

参照 : 「経営者の教科書」 ハーバードビジネスレビュー 

「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者

■参照した主な内容
「寛容」「公平」「公正」な世界を創造する必要がある
「格差による分断」「不均衡や不正」「環境破壊」を止める
・「新自由主義」は、「競争」による「経済成長」を追い求めた
・「経済成長」のために、環境が「破壊」され、「社会福祉」が軽んじられた
・「社会的弱者」の精神的苦痛が増すリスクがある
・「政府」は、「市場の失敗」を正す必要がある
・「持続可能で包摂的な成長」を果たせる市場を積極的に形成すべき
・「少ないモノ」で「より豊かに」暮らせる未来
参照 : 「グレート・リセット」 クラウス・シュワブ 世界経済フォーラム創設者 

「パーパス経営」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・パーパス 事業の成功を左右する共通基盤
・パーパスは経営戦略と結びついていなければならない
・2019年 ビジネスラウンドテーブル 企業のパーパス ステークホルダーのニーズに応えること
・企業のパーパス 目先の利益ではなく、もっと大きな視点を持つ必要性
・2020年代 ステークホルダー資本主義とパーパス、DEIがビジネス用語の時代
・パーパス組織 「社会的価値」と「経済的価値」が交わるスイートスポットを目指す
・自分の利益のための利己主義では、パーパスは生まれない

参照 : 「パーパス経営」 ハーバードビジネスレビュー 

「ハーバードのケースで学ぶ企業倫理」 リン・シャープ・ペイン ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・企業は、社会の「資源」の管理者である
・企業は、「道徳的」な視点と「目的意識」が重要
・「道徳的」な視点と「目的意識」によって、社会から「資源」の管理を許される
・社会から許された「資源」の管理によって、業績を導くことができる

・カント 義務論 原則重視
・帰結主義
・ベンサム 功利主義 快楽と苦痛の計算 最大多数の最大幸福 フォード社 ピント事件

・フリードマン 企業の社会的責任は利益を増大すること 1970
・数えきれない企業の不正行為の原因 「非現実的な目標達成への圧力」「誤ったインセンティブ制度」「不適切な教育訓練」「倫理的なリーダーシップの欠如」「組織風土こそ企業犯罪の最大の原因」
・J&J タイレノール事件 率先垂範 わが社の信条 Our Cred
・組織倫理の枠組みに必要な重要な要素「目的への貢献」「原則との一貫性」「人に及ぼす影響」
・事業計画の策定 「経済的側面」「倫理的側面」

世界人権宣言
参照 : 「ハーバードのケースで学ぶ企業倫理」 リン・シャープ・ペイン ハーバードビジネススクール教授

「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト 日本経済新聞社

■参照した主な内容(一部筆者補足※)
・2011年に提唱された「共通価値の創造(CSV)」がキーワード
・「CSV」は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱した
・「CSV」経営モデルは、「これまでの資本主義」の経営モデルとは抜本的に異なる
・「CSV」経営モデルの根幹には、「社会価値」や「共通善」が据えられている
・「社会的目的(Social purpose)」を定め
・「社会的な価値」を生み出して欲しい
・「短期的利益追求」は、「経済合理性」に基づく
・「経済合理性」は、「費用」を「外部」に転嫁し「利益」を最大化する※
・「費用」を「外部」に転嫁することを、「外部不経済」という※
・「外部不経済」は、「環境汚染」「低賃金」「低福祉」などを拡散する※
・「外部不経済」は、「経済的繁栄」を支える「社会」「環境」を「破壊」する
・「社会」「環境」が「破壊」され、「利益追求」が不可能に陥る
・「外部不経済」による「社会課題ブーメラン」
・「経済格差」が、世界的な「不安」と「社会分断」の主因である
・「信念」に基づく「購買行動」が増加している「ビリーフ・ドリブン」

参照 : 「SDGsが問いかける経営の未来」 モニターデロイト 

「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授

■参照した主な内容
・「これまでの資本主義」は、「低コスト」の追求で「利益」を最大化する考え方が主流
・「
地域社会」の「犠牲」の上に「利益」を生み出した
・「正しくない」「賢明ではない」
・「
新しい資本主義」は、「共通価値」を創造することである
「企業」の「目的」は、単なる「利益」ではなく、「共通価値」を創出すること
・「
共通価値(CSV)」の戦略は、「社会的価値」と「経済的価値」の両立を目指す
・「持続的な利益」が生み出される、「新しい資本主義」の姿が見えてくる

参照 : 「共通価値の戦略」 マイケル E.ポーター ハーバードビジネススクール教授 

「Justice これから正義の話をしよう」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授

■参照した主な内容
・公正な社会 共通善を熟考 善良な生活の意味をともに考える 公共の文化
・共通善に基づく政治 公民的生活基盤の再構築

・「リバタリアン」は、「自由で制約のない市場」を支持する
・「リバタリアン」は、「政府規制」に反対する
・「フリードマン」は、「リバタリアン」である
・「フリードマン」は、著書「資本主義と自由」で「政府規制」を批判している
・「ベンサム」 正しい行いとは「効用」を最大にするもの 快楽や幸福を最大にし、苦痛や苦難を防ぐもの

・「道徳」は、行動の意図である「動機」で決まる 「カント」
・「正義論」は、より「平等」な「社会」を実現することを支持する 「ロールズ」
・「正義論」は、「目的」や「愛着」を重視する
・「正義論」を含むリベラリズム 人の選択は完全に自由を批判 
・「正義」には、「共通善」を考える必要がある 「サンデル」
・「コミュニタリアン」は、「共同体主義者」と呼ばれる
・「コミュニタリアリズム」 「正義論」を含むリベラリズム 完全自由な自己選択を批判 共同体や伝統の道徳的要求
・「コミュニタリアリズム」は、「リバタリアニズム」と対峙する
・マッキンタイア 特定の社会的アイデンティティの担い手 家族、部族、社員、市民、国民 物語としての役割や目的

参照 : 「Justice これから正義の話をしよう」 マイケル・サンデル ハーバード大学教授 

「共感経営」 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授

■参照した主な内容
・2019年8月 米経済界 「脱・株主第一主義」を宣言
・米国経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」 「株主第一主義」見直し 声明
・声明文 正式名称 「パーパス(目的)・オブ・ア・コーポレーション」
・企業の「存在意義」が問われる

・「株主資本主義」偏重の「誤り」が確認された
・「利害関係者(ステークホルダー)」への配慮 「顧客」「従業員」「取引先」「地域社会」「株主」

・分析的戦略でなく、「
物語り戦略」では「人」の「主観」や「価値観」が重要な意味を持つ
・その戦略のあり方は、きわめて「人間中心的」である
・人の「生き方」が問われ、「生きがい」や「働きがい」を生む
・「他者に対する共感」にもとづく社会の規律を再認識すべき

参照 : 「共感経営」 共感経営 野中郁次郎/勝見明 カリフォルニア大学バークレー校名誉教授 

「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
「パーパス」主導の経営
「長期」的な「企業価値」を実現し、「新たな未来」を創ることにつながる
・世界が直面する「危機」
・「格差」「気候変動」「パンデミック」
・「社会」や「地球環境」の「持続可能性」
参照 : 「ステークホルダー資本主義」 ハーバードビジネスレビュー 

「ビジネスの倫理学」 梅津光弘 経営倫理実践研究センター首席研究員

■参照した主な内容
・「帰結主義」と「非帰結主義」
・「帰結主義」は人間の快楽が善の基礎 「倫理的利己主義(フリードマン)」「功利主義(ベンサム)」
・「帰結主義」は「結果(帰結)」として人間の快楽が増幅されれば倫理的に正しい
・「フリードマン」の著書「資本主義と自由」 企業の目的 自己利益の最大化 株主資本主義
・「倫理的利己主義(自己利益の最大化)」を支持する人々が「リバタリアン
・「リバタリアニズム」に基づく社会を形成 「規制緩和」「貿易の自由化」を推進
・1980年代 「レーガン政権」「サッチャー政権」は「規制緩和」「貿易の自由化」を推進
・「世界的」な「政策」トレンド」
・「功利主義」の「最大多数の最大幸福」の限界 「少数派の権利」をどう守るか 「フォード ピント事件」
・「非帰結主義」は「動機・義務・目的」を倫理的な正しさとして考える 「義務論(カント)」「正義論(ロールズ)」
・「カント(義務論)」は「帰結主義」を否定 打算
・「ロールズ(正義論)」は「功利主義」を否定 少数派の権利 「自由・平等」「分配上の正義」「弱者への配慮」

・「共同体主義」はロールズの個人の選択の自由「原初状態」を批判 現実的な共同体の中の個人としての役割の選択
参照 : 「ビジネスの倫理学」 梅津光弘 経営倫理実践研究センター首席研究員 

「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー

■参照した主な内容
・「グローバル企業」の「ナイキ」の「経営活動」
・「新興国」で、「
奴隷並みの賃金、強制的な時間外労働、職権乱用
・一九九〇年代半ば、アメリカの諸大学で「
反グローバリズム」の抗議運動が激化
参照 : 「CSV経営」 ハーバードビジネスレビュー 

「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者

■参照した主な内容
・「反グローバル運動」は、「不道徳」「悪習」「腐敗」を明らかにした
・世界中に、「
貧困」を蔓延させた
参照 : 「貧困の終焉」 ジェフリー・サックス 米経済学者 

「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞

■参照した主な内容
・現代資本主義理論の「最大の欠点」は、「利益の最大化」が唯一の「目的」とされていること
「欠陥」のある「経済理論」に洗脳された、「利益」という概念を振り払うこと
・「
貧困」は、人が築いてきた「制度」が生み出すもの
・「貧困」は、
人災である
・「貧困」の最大の問題は、弱者が社会的な打撃から守られていないこと
参照 : 「ソーシャル・ビジネス革命」 ムハマド・ユヌス 経済学博士 ノーベル平和賞受賞 

「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授

■参照した主な内容
・マーケットは、「企業」を、「株主価値」を拡大させるための「道具」としてしか見ていない
・「
強欲」が、「社会」に及ぼした「ダメージ」はきわめて大きい
・「過剰な生産と消費」は、大量のゴミとともに
「環境」を「破壊」する
・「もっと多く」は、
「人」「社会」「環境」に「壊滅的」な打撃を及ぼす
・もっとましな行動があるはず

参照 : 「これからのマネージャーが大切にすべきこと」 ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学経営大学院教授